【青坂気象予報士】
今週の天気のポイントは「梅雨入り」です。
我々にとって本格的な雨のシーズンを迎えるのはおよそ1年ぶりと言うところで、梅雨の時期の天気のチェックポイント。なぜ雨が降りやすいのか、そして雨が強まるのかというところを紐解いてお伝えして行きたいと思います。
まずは、天気図に梅雨前線が県内の近くにも現れるようになってきました。
線で表現するぐらいなので、これは何かと何かの境界線を表しているわけです。
このコーナーでも何度かお伝えしましたが、この線は何の境界線か、スタジオの皆さん、覚えていますか。
【加藤キャスター】
これは温かい空気、冷たい空気とか、湿った空気と乾いた空気とか…
【青坂気象予報士】
いいですね。その湿度と気温の違いというのがこの線に表れています。
全体的に表しますと、前線の北側には春の名残と言えるような空気、そして前線の南側には、これから季節の主体となる夏の空気の塊があって、今おっしゃったとおり気温も僅かに違いますし、湿度も違います。
そういったところに境界線となる前線が引かれているような状態です。これから夏の空気が南からぐぐっとせり上がって、完全に日本を覆うようになれば夏本番到来。まさに直前の状態というのが、この梅雨の時期にあたるわけです。
では、何故前線の周辺というのは雨が降りやすいのか?少し紐解いていきたいと思います。
先ほどの天気図を横から見たような状態です。春の空気と夏の空気が接している。ここが前線と思ってください。この二つの空気には大きな違いがあります。特に一番大きな違いというのは水蒸気の量、湿度です。乾いた空気と湿った空気。重さの違いがあって、湿っている空気のほうが軽いのです。この2つの空気が相対すると、夏の空気の方が湿っている分、軽くて持ち上げるような動きを見せる。持ち上がった分、水蒸気は上空で冷やされて雲を作って雨が降る。
ですから、ちょうどこの境目あたりの前線の周辺というのは天気が崩れやすい。
特に梅雨前線というのは、ちょっとした位置の違いで雨雲の予想が変わってきます。
ですから一度かかり始めると同じ場所で雨が降り続くという危険も含まれていますので、皆さん日々の天気をしっかりとチェックしてください。
以上、空ナビ、お伝えいたしました。