海や川で遊ぶ機会が増える本格的な夏を前に10日、服を着た状態で水の中に入ってしまうことを想定した講習会が福岡市で開かれました。
もしもの時に命を守るための「対処法」を取材しました。
10日午後、福岡市西区のプールに集まったのは、小学校の教師・約50人。
教師たちが体験したのは、服を着たまま水の中に入る「着衣泳」です。
水の事故が増える時期を前に、児童に「着衣泳」を指導できる教師を育てようと、日本赤十字社が毎年実施しています。
去年7月と8月の2カ月間に全国で水難事故に遭った人は601人で、そのうち死者・行方不明者は242人にのぼります。
福岡県では、志賀島の海水浴場から流された4歳の男の子が溺れて亡くなるなど、あわせて11人が命を落としました。
溺れた時に最も危険なのが「パニックに陥ること」。
溺れまいと手足を動かした結果、体力を消耗し、力尽きてしまうのです。
実際に記者も、服を着たまま水の中に入ってみると…
◆記者リポート
「服が体にまとわりついて一気に重たくなって、パニック状態になってしまいます」
では、どうすれば自分の命を守ることができるのかー
◆日本赤十字社の指導者
「無理して体力を奪われるよりは、浮いて、流されても助けを待つ。“浮いて助けを待つ”」
水に落ちてしまった時の合言葉は「浮いて待て」。
大の字になってじっと助けを待つことがポイントです。
◆記者リポート
「無理に動こうとせずに流れに身を任せていると、ずっと力を入れずに浮いていることができます」
さらに、水に落ちた人を“救助する側”も覚えておくことが。
助けるために手を握って引き揚げようとすると、救助する人も水の中に落ちてしまいます。
そこで、近くにあるペットボトルを投げて浮き輪代わりにしたり、ロープを使って陸まで引っ張ったりなど、モノを使って助けることが大切だということです。
日本赤十字社は、「水遊びをする際は監視員などがいる安全な場所で楽しんでほしい」としています。