政府の備蓄米に新たな動きです。

小泉農水大臣は、随意契約の備蓄米について新たに追加で20万トンを放出すると発表しました。

福岡の米の価格は今後どうなるのでしょうか。

◆小泉農水大臣(10日)
「あすからまた追加の備蓄米を放出します。全く手を緩める気はない。できることはなんでもやるということを、改めてマーケットの皆さんにお届けしたいと。具体的な策を次々投入していきたい」

10日、こう表明した小泉農水大臣。

随意契約の備蓄米について新たに2021年産を10万トン、2020年産を10万トンのあわせて20万トンを放出すると明らかにしました。

20年産の放出は初めてで、小泉大臣は店頭価格について5キロ1700円程度になるとしています。

米の価格をめぐっては9日、農水省が最新の全国スーパーの米の平均価格を発表。

米5キロ当たりの平均価格は前週より37円安い4223円となり、去年11月以来7か月ぶりに2週連続で値下がりしました。

今回の調査には「随意契約」による備蓄米の価格は反映されていませんが、一般競争入札による備蓄米が市場に出回ったことが値下がりに影響していると見られます。

10日、福岡市内のスーパー(エムズ美和台店)を訪れてみると…

◆リポーター
「先週と比べて3000円台の米が1袋増えていました」

売り場に増えた3000円台の米。

福岡の人たちは米の価格が下がって来た実感はあるのでしょうか。

◆買い物客
「まだ高いです。まだ変わってないように思えますね」

◆買い物客
「高いですね」
Q.価格的には30円ほど安くなったというが?
「30円で安くなった感じはないですね」

相次ぐ備蓄米の放出について、記者から「危険な手法ではないか」と問われた小泉大臣はー

Q.(米が)かなりジャブジャブにあふれて需給が緩和するような局面かと思うが、そういった中でさらに20万トン放出するということは情勢的に需給緩和をさらにすすめる危険な手法な気もするが?
◆小泉農水大臣(10日)
「平時でしたらそれは言えるかもしれないが、今は平時ではありませんので、実際価格をみれば全くこちらが期待するような下げにはなっていない。私たちとしてはジャブジャブにしていかなくてはいけない。それじゃないと価格は下がらない」

改めてスピード感をもって米問題を対処する意志を示した小泉大臣。

相次ぐ備蓄米の放出で、今後の米の価格の値動きが注目されます。

米の価格に詳しい流通経済研究所の折笠俊輔さんによりますと、まず今後、江藤大臣時代の競争入札による備蓄米、そして小泉大臣の随意契約による備蓄米、この両方が十分に出回れば、一般の銘柄米も「徐々に下がる」ということです。

ただ、元々の仕入れコストが高いので、今年の夏に銘柄米が大きく下がることはないそうで、安さを実感するのはまだまだ難しそうです。

今後は秋に新米が出てくるわけですが、では、長い目で見て日本全体の米価格はいくらになるのか。

折笠さんの見立ては「秋以降、銘柄米は5キロ3800~3900円で落ち着き、これが基準になるだろう」「この価格なら、農家も一定の利益が出る」ということです。

テレビ西日本
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