毎週水曜日は、今関心が高い話題を詳しく解説する急上昇ニュースのコーナーです。2026年4月から自転車の交通違反にも反則金が科されることが、5月に決まりました。担当は中西記者です。

(中西源太 記者)
自動車の交通違反で反則金を徴収する青切符です。これが2026年4月から16歳以上の自転車利用者にも導入されることになりました。

道路交通法の改正に伴うもので、一例を見てみると、携帯電話を使用しながら自転車を運転する「ながら運転」が最も反則金が高く1万2000円、歩道通行が6000円などとなっています。なぜ自転車に青切符、反則金が導入されるのでしょうか?

歩行者の間を縫って走る自転車。日常的によく見る光景です。でも、よく確認してください。この標識がない歩道だったら、自転車が走行することは交通違反。2026年4月以降は6000円の反則金の対象です。

今回の法改正に携わった自転車活用推進研究会の小林成基理事長は、反則金が導入されることになった背景について、「悪質な運転による事故の増加」があると指摘します。

(自転車活用推進研究会 小林成基さん)
「東京を中心に交通事故に占める自転車事故の割合がものすごく高くなった。東京で起きていることはやがて全国に波及していくので、今のうちに減らすための方策をとらないといけない」

警察庁によりますと、2024年に自転車が関連する事故は全国で約6万7500件。交通事故全体に占める割合は、高くなっています。

岡山市は、起伏の少ない地形のため自転車の利用者が多く、通勤通学に自転車を利用する人の割合は、政令指定都市の中で4番目です。岡山駅周辺の駐輪場は、日中ほぼ満車。学生にありがたい中古自転車店も多くあります。

街中のちょっとした移動には、自転車を有料で貸し出すコミュニティサイクル「ももちゃり」が有効に活用されていて、自転車は日常から切っては切り離せないものとなっています。

そんな自転車王国・岡山でも、街の人は自転車の危険を感じていました。

(まちの人)
「自転車を使う機会が多くイヤホンをしていてぶつかりそうになっているところを結構見る」
「横断歩道で運転するときは気をつかっているが斜めから入ってこられると怖いと感じる」

自転車の危険を未然に防ごうと導入される反則金。例えば、自転車の並走は3000円、信号無視は6000円、イヤホン使用や傘さし運転は5000円、などとなっています。最も反則金が高いのは、携帯電話のながら運転で1万2000円です。自転車の反則金導入で期待されることを県警で聞きました。

(岡山県警 交通企画課 山上邦生課長補佐)
「自転車だから注意で終わっていただろうということに違反として切符が切られ反則金が発生することになれば、今まで以上に気を付けようという気持ちになると思う」

自転車の事故と交通違反は深く関係しています。2024年の自転車事故のうち、自転車側に違反があったのは、岡山県で63%、香川県では実に86%でした。こうした背景から、自転車の違反に青切符、反則金が導入されました。

例えば、歩道を自転車が走行する光景は、現在、当たり前のように見られますし、車道を走るのは危ない、という意見もあります。実際には、どう運用されるのでしょうか。岡山市中心部では自転車の反則金導入についてこんな声が・・・

(まちの人)
「いきなり知らないままに反則金を支払うことになるとびっくりする人も多いと思う」
「3回くらい(交通違反をして)反則金が科されるのはいたしかたないことだが1回だけで反則金が取られるのはちょっときつい」

警察庁では、違反金を徴収する青切符が交付されるのは警察官の指導警告に従わずに違反行為を継続した場合、違反行為により通行車両や歩行者に危険を生じさせた場合としています。

(自転車活用推進研究会 小林成基さん)
「(青切符の導入は)道路交通についての意識そのものを変えていこうというもの113項目の危険な行為については注意をする注意をして反省してもうしないのであればそれで済むそれでも違反をするようであれば青切符を切って反則金を取らざるを得ない」

違反行為をしたからといってすぐに青切符が交付されるわけでありません。すぐに青切符が交付される訳ではないとはいえ、交通ルールを守るにこしたことはありません。改めて、自分自身の自転車の乗り方を見直して交通違反や事故の無い安全な運転を心がけていくことが求められます。

岡山放送
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