岡山市出身の小説家・岡崎隼人さん(40)がヒット作を連発し、小説講座などに引っ張りだことなっています。長いスランプを乗り越えた岡崎さんの第2の小説家人生が始まっています。

(岡崎隼人さん)
「第1段階でいっぱいアイデアを出す。第2段階では出したアイデアの中から良さそうな有望案を育てていく」

4月9日、岡山市北区の書店で開かれた小説講座。執筆のノウハウを学びにやってきた15人の小説家の卵が参加しました。講師を務めるのは岡山市出身の小説家・岡崎隼人さんです。講座も今回で9回目。自身の体験をもとに諦めずに作品を完成させる技術を惜しまず伝えます。

(岡崎隼人さん)
「全然私に才能がないと思ってやめがちだが100点を取ることはできない。30点でもいいと思ってほしい。30点でもいいから一個作るというのを 自分に言い聞かせてあげてほしい」

(参加者は…)
「なかなか小説家で技術まで教えてくれる人はいないので、身近な存在のような感じがする」
「夢物語ではなくて実際に活躍している人が目の前にいて、リアリティーがあってとても刺激になった。小説やエッセイを書いて出版したい」

岡崎さんは今、勢いに乗る小説家の一人です。2025年8月に出版したホラー小説『書店怪談』は書店員の間で話題を呼び、発売直後から重版が決定。3月には韓国でも発売される人気ぶりです。そして、3月18日に出版された最新作『ハンドレッドノート 名探偵 司波仁の事件簿』も発売から5日で重版が決定しました。

(小説家 岡崎隼人さん)
「さっき担当の編集者から電話が来てもう一回重版が決まった。とてもうれしい。いっぱい刷ってくれるようで大重版と言ってもいい。とてもありがたい」

次々にヒット作を出し、小説講座やワークショップなどに引っ張りだこの岡崎さんですが、小説家としての人生は決して平坦ではありませんでした。

岡崎さんのデビューは2006年、20歳の時。デビュー作の『少女は踊る暗い腹の中踊る』が文学新人賞のメフィスト賞を受賞し、一躍、脚光を浴びました。順風満帆な小説家人生を歩むと思った矢先、行く手を阻んだのは深刻なスランプでした。小説を書こうと思っても書き進めることができないジレンマが岡崎さんを苦しめました。

(岡崎隼人さん)
「一生懸命書こうとするが満足のいくものができない。ボツにするというのを延々と繰り返した。1行も書くことが難しい段階まで追い詰められてしまった」

気付けば18年の月日が流れていました。

それでも諦めずに小説と向き合った岡崎さん。スランプを打破すべく行ったのは小説をはじめ映画などあらゆる物語の構成を分析することでした。ノートに物語のあらすじを決まった文字数でまとめるなどの作業をひたすら繰り返しました。この努力が実り、ヒット作、「書店怪談」を生み出した岡崎さん。スランプを乗り越えた今、小説だけでなく、人生の壁にぶつかっている人に伝えたいことがあります。

(小説家 岡崎隼人さん)
「過去の功績や過去の遺産に触れたり相談したり研究したりすること。要は大先輩の肩を借りる。今スランプに陥っている本人よりもその人が一生懸命やっている芸術や文化、クリエイティブそのものの歴史の方が長いので、過去を探ることが行き詰まりを解消することにつながるヒントを得やすいと思う」

驚くべきペースで作品を生み出し、第2の小説家人生を駆け抜けている岡崎さん。思い描く未来があります。

(小説家 岡崎隼人さん)
「書く人を増やすことで小説という芸術の炎をちょっとでも大きくしていきたい。そのために自分が書けない時期に蓄えた知見や技術や物の考え方を皆さんに伝えている。それで読む人書く人が増えて小説を愛する人が増えてくれたら何よりうれしい」

岡山放送
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