食品やエネルギー価格の高騰が続く中、「自宅で作るよりも安い」とスーパーでは「総菜」の人気が高まっています。また、米の価格高騰を受け、最近は「弁当」の売り上げも伸びているということです。店側も安く提供するなどの工夫で客の需要を取り込もうとしています。

■「総菜」の売れ行きが好調

香ばしい唐揚げに、肉厚のアジフライ。種類豊富な総菜が並びます。

長野市の綿半スーパーセンター権堂店です。

客が次々と訪れます。

客:
「天ぷらとメンチをいつも(買う)。お値段も安くていいと思う」

権堂店では「揚げ物」を中心に総菜類の売れ行きが好調。

4月の売上は2024年の同じ月に比べて17%増えました。

「綿半」全体でも右肩上がりだということです。


■背景に食品やエネルギー価格の高騰

背景にあるのは「物価高」です。高止まりが続くコメ、食用油や小麦なども値上がりが続いています。

さらに、電気やガスなど光熱費も高騰しています。

綿半スーパーセンター権堂店・権田涼さん:
「油ですとか、粉系の値段もずっと上がり続けてますし、手軽に店で買って家で食べられる総菜が今、人気なのかなと」


全国スーパーマーケット協会が行う調査でも2021年から2024年までの4年間、総菜部門の売上高は右肩上がりで推移。

「エネルギーの高騰、油や調味料の値上げにより、揚げ物を筆頭に家庭での調理を避ける傾向が続く」としています。


■米の価格高騰で「弁当」も好調

「綿半」は専属のシェフが考案したメニューを店内の厨房で仕込みから行うなど味にこだわる一方、仕入れの効率化などでコストを抑え、できるだけ安く提供しています。

とまらない!無限∞唐揚げ100g209円(税別)

中華屋さんの鶏チリ弁当464円


米の価格高騰を受け、最近は「弁当」の売り上げも伸びているということです。

綿半スーパーセンター権堂店・権田涼さん:
「今は特にお米が高いので、お弁当で済まそうって方が多いのかなと。安いお弁当系から優先的に売れていくように感じていて、お客さまが気にしているのかなって」

客:
「(総菜の方が経済的?)いいですね、その方が。残るほどは買わないし。ロスのことを考えると、できたものの方が経済的だと思います」


大学生2人は唐揚げと弁当などを購入―。

大学生2年生:
「総菜の方が楽だし、おいしいし、野菜買っても高いし。(弁当なら)お米をいっぱい買わなくても、食べたい分だけ買えるので」

綿半スーパーセンター権堂店・権田涼さん:
「家でやるよりもだいぶリーズナブルに総菜をそろえられると思うので、ぜひ活用いただければ」

■「自宅で料理するより安い」

総菜が人気のスーパーは他にも。

長野市のラ・ムー長野店です。

人気の訳はその「安さ」。

4個で108円のコロッケに、105円のナポリタン。

ハンバーグ弁当は213円です。

「自宅で料理するよりも安い」と評判です。


客:
「ここは安いと思う。だから来てるというのもある」

客:
「(コロッケは4個入って100円)すごく安いね。他はないもんね、こういうの」

県内で「ラ・ムー」を運営する「西源」の総菜部門の売り上げは2年前から1.3倍に伸びました。

需要を取り込もうと総菜の種類を1.5倍に増やしたということです。


■「安さ」の秘密は?

「安さ」の秘密は?

「ラ・ムー」は県内に9店舗。総菜は基本的に松本市の自社工場で仕入れ、加工、各店舗への配送までを一括して行いコストを抑えています。

コロッケやフライなどは配送されてきたものを店内で揚げて提供。

人気のメンチカツやアジフライなどは、一つ69円で好きな個数を購入することができるため「無駄なく購入できる」と好評だということです。

客(214円の山賊焼きを購入):
「鶏肉も高くなっているので(材料から買うと)同じくらいか、高くなってしまう」

客:
「(物価高で)何を節約するって食費かなと感じていて、野菜からお肉からお魚まで毎年のように上がっていくので、そこを一番節約しないといけないかな」

ラ・ム―長野店・丸山翔太店長:
「物価高という部分で、安さにお客さまが魅力を感じているのかな。種類豊富にとりそろえてますし、お財布にも優しいので、ぜひ食卓に利用していただければ」

続く物価高。

家計への負担を減らすため「安い総菜」の人気はさらに高まるとみられ、各スーパーも
需要を取り込もうと力を入れています。

長野放送
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