未来の部活動とはどんな形なのか、スポーツ指導者のモデルケースを作り、将来にわたってスポーツに親しめる機会の整備を目指します。
“生徒たちにより質の高い指導をしてあげたい”。
そんな熱い思いを持った先生たちを支援する、行政・競技団体・財団が連携した初の取り組みとは。
先週末、大阪市内の中学校で2日間にわたり行われた、安藤財団コーチングアカデミー。
日本バスケットボール協会JBA公認コーチライセンス取得のため、市内の公立中学校のバスケ部顧問の先生たちが参加しました。
「Live News α」が注目したのはビジネスパーソンにも通じるような教え方=コーチングの場面です。
まずはオフェンス役の動きについて、顧問の先生がグループワーキングで考えたコーチングをデモで実演します。
顧問の先生考案のコーチング(Aパターン):
このドライブに対してX(ディフェンス)選手のヘルプが早い場合、早くいった場合は(中に切れ込む)形が一つ。
顧問の先生考案のコーチング(Bパターン):
ドライブに対して(ディフェンスのX選手が)深く守ってきたら(コーナーの位置に動く)。
一見、適切なコーチングのように見えますが…。
岩見雅人コーチデベロッパー:
例えば3番の子(オフェンス役)が、バスケットを始めてまだ数カ月だった場合、「このディフェンスが早くこっちにいったら」「深く守ったら」(と指示されても)「えっ!?」ってなっちゃう。
生徒の目線に立ち、より具体的な基準やタイミングを教えることが必要だといいます。
岩見コーチデベロッパーは「『ナイスナイスオッケーオッケー』とか『今のダメだよ』では、何がダメなの?どうダメだったの?どうすればよかったの?みたいな。そこはコーチとしてちゃんと指示してあげるとプレイヤーはすっと入ってくる」と話しました。
部活動の地域移行に伴うさまざまな環境変化の中、指導者側の質の底上げを図り“短時間で質の良い部活”を目指す取り組み。
講習会に参加した中学校教諭からは「あやふやな形で指導をずっとしていた中、新たな学びとか今後子供たちにバスケットをより明確に教えられる機会がもらえた」「(講習会参加で)自信になるようなことを2日間で学んだ。それを子供たちにも伝え、子供たちも自信を持ってできるようにコーチング・指導ができていけたらいい」といった声が聞かれました。
これまでもU18日清食品リーグの後援など、育成年代の競技力の向上を支援してきた安藤財団。
今回はテスト事業ながら指導者側の養成の支援メニューを提供。
そのモデルケースをつくることで、子どもたちが将来にわたりスポーツに親しむ機会の確保を目指します。
安藤スポーツ・食文化振興財団 橘晃嗣氏:
行政・地域の限られた場所だけですと、なかなか一歩踏み出せない。我々含め民間企業さんを含め、様々なプレイヤーが関わる中で、新しい取り組みが推進できるのかなと考えております。