静岡県伊東市の市長選挙で現職との一騎打ちを制し、初当選した田久保新市長が29日に初登庁しました。

午前9時半静岡県伊東市役所に初登庁した田久保眞紀 新市長。現職との一騎打ちとなった選挙戦では約1700票差で初当選を果たしました。

市議を2期務め挑戦した市長選。伊東市長では31年ぶりに誕生した非自民系、女性市長は初めてです。

2年前の市議選では最下位当選だった田久保眞紀 新市長。今回の選挙戦で訴えてきたのが新しい図書館の建設中止です。29日午後、市長として望んだ最初の記者会見でも明言しました。

伊東市・田久保眞紀 新市長:
本日付けで私の方から(新図書館の)建設については中止するということで指示を出しました。(新図書館を)建設することはないと考えていただいて結構です

1980年に開館した現在の市立図書館。

事業費約43億円の新しい図書館の建設計画を進めていた小野達也 前市長は、8年前の選挙戦で公約に掲げ初当選しました。

しかし今回の選挙戦で示された民意は「建設中止」。田久保眞紀 新市長は図書館の必要性を認めたうえでどのような形にするか検討していく方針です。

伊東市・田久保眞紀 新市長:
市内のどこにいても借りた本が手に入るようなシステムですとか、どこの地域の子供たちも通える図書館の実現ということで、伊東市全体の図書館政策をどのようにしていくかについての会議体を早急に立ち上げていきたいと考えています

大きく変わることになる伊東市の市政運営。職員には市民に寄り添ってすすめていくよう訓示しました。

伊東市・田久保眞紀 新市長:
これは1つの機会でもありチャンスでもあると思うので、ここでしっかり市民と一緒に新しい伊東の未来を作っていければいいなと思っております

一方で市政運営への懸念も。

28日、小野達也 前市長の退任とともに小野達也 前市長が任命した2人の副市長と教育長も退職しました。

新市長の就任初日から自身を補佐する特別職がいない中での“船出”で、まずは職員との対話を大切にしたいと語りました。

伊東市・田久保眞紀 新市長:
まず(職員との)信頼関係づくり。そんなに時間をかけていつまでもできることではないことは承知はしておりますが、まずはそこをしっかりやりながら、変えるべきところ変えられるところから変えていく。決して一度にひっくり返してすべてを変えていくのではなくて、質実剛健にそこはやっていきたいと思っております

議会でも選挙戦で前市長を支援した市議が大勢を占めるなか、田久保眞紀 市長はどうかじ取りをしていくか。その手腕が注目されます。

テレビ静岡
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