斎藤知事の疑惑を告発した元県民局長の私的な情報が外部に漏えいした問題。
この問題を調べていた兵庫県の第三者委員会が27日、斎藤知事の当時、最側近だった「総務部長が3人の県議に私的情報を漏えいしていた」と認定していました。
その漏えいについて、当時の総務部長は「知事や前副知事の指示によるもの」と第三者委員会に説明していて、前副知事や同席者も同様の証言をしているということです。
漏えいが認められたことで、兵庫県から停職3カ月の懲戒処分を受けた当時の総務部長。27日夜、代理人弁護士を通じてコメントを出しました。
【当時の総務部長のコメント】
「処分につきましては、私の業務行為が情報漏えいと評価されたものであり誠に残念です。審査請求および執行停止の申し立てを行い、正当性を主張したいと思います」
兵庫県民からは説明を求める声などが上がっています。
28日の会見で、改めて斎藤知事は。
(Q.総務部長らが虚偽を言っている?)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「きのうもけさも申し上げましたけども、それぞれの立場でそれぞれの認識を述べられたのだと思う」
(Q.誤解につながるような発言もなかった?)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「そういうことです」
来週から県議会も始まる中、説明責任は果たされるのでしょうか。
■『知事の二重基準』を橋下氏が厳しく批判
第三者委員会は「漏えいの指示した可能性が高い」と認定しましたが、斎藤知事は「そういった認識ではない」と話しています。
番組コメンテーターの橋下徹氏は「知事失格。最悪の権力行使!!」と厳しく評価します。
【橋下徹氏】「まず、本人がどういう認識であったとしても、第三者がこうだって決めるのが、これが第三者の評価っていうものであり、裁判なんかそうですよ。だって本人が、『いや、私は故意はありませんでした。私はやってません』って言っても、いろんな証拠や証言でもって、『いやあなたは否認してる、違うと言ってても、あなたが犯人です』って決めるのが事実認定」
【青木源太キャスター】「それは裁判の場じゃないですか。今回は第三者委員会の認定ですけど、そこの違いはないんですか?」
【橋下徹氏】「告発、内部告発的なものに関しては、まず第三者委員会の判定を最重要視するというのが内部告発の大原則です。今回、情報漏えいに関してこの幹部から、ある意味、告発みたいなものが出てきたんですよ。『いや、これは私自身がやったんじゃなくて、知事からの指示に基づいたんです』って。これある意味、ある種の内部告発。それからこの幹部はね、『自分は悪いことありません、業務としてやってるし、それから第三者委員会の法的な評価の仕方もおかしいんです』ってことを言ってるわけです。第三者委員会にいろいろ文句言ってるわけですよ。
斎藤さんは幹部を処分するときには、第三者委員会の報告書を全部丸のみして幹部を処分していくんですよ。でも自分の罪に関しては、第三者委員会の報告書は全部拒否するわけです。
こんな事いいの?自分の幹部の方に全部責任を負わし、第三者委員会はその報告書をもって幹部の方に責任を負わせて、自分の責任に関しては『この報告書はもう、意味がない』。こんな使い分けだめでしょ」
■「辞任すべき」が100人中63人 3カ月で支持が逆転、急落する斎藤知事への信頼
斎藤知事の今回の件、兵庫県民はどのように考えているのか、番組では緊急100人アンケートを実施しました。
その結果は、「続投すべき」が37人、「辞任すべき」が63人と、「辞任すべき」の声が大きく上回りました。
具体的な意見は…。
・「辞任」すべき
【60代】「反省の色が全く見えない」
【大学4年生】「問題が多すぎる」
【50代】「自分を守ろうとしている」
・続投すべき
【30代】「詳しく説明がないと辞めろとは言えない」
【30代】「政策に関しては有言実行していると思う」
と、一部評価する声もありました。
実は今年3月末にも同じようなアンケートをとっています。
この時のアンケートは、知事が10のパワハラが認定されたことを受けてアンケートを取ったものです。
この際は「続投すべき」が68人、「辞任すべき」が32人。
今回の結果と見比べてみると、2カ月間で正反対の結果になっています。
■『告発者つぶし』の深刻さ 橋下氏『恐ろしい権力行使』と警鐘
【青木源太キャスター】「今回、第三者委員会が知事の指示の可能性が高いという認定をしたことによって、世論も変化をしていることがあります」
【藤井サチさん】「今回の一番の問題って、公益通報のことだったと思うんですよね。自分がもし公務員として働いていて、色んな派閥とか、色んな意見がある中で、でもこれを伝えたいってこと一生懸命勇気を出して伝えた。なのにそれを守ってもらえない。しかもつぶされちゃうってなったら、これって全然安心して働けないじゃないですか。透明性も確保できないんじゃないかなと思うので、これは逃げられないように本当刑事告発とか不信任案っていうところまでね、踏み出したほうがいいんじゃないかなって思っちゃうんですけどね」
【青木源太キャスター】「不信任案という点でいったら、県議会がどう動くかってことになりますよね」
【橋下徹氏】「そうですよね。でも兵庫県議会も動かないでしょ。動けないというよりも、『選挙やって勝てるのかな』とか、そんなことしか考えてないから」
【青木源太キャスター】「7月の参院選で頭がいっぱい?」
【橋下徹氏】「とか言ってるでしょ。今回、世論というかアンケートの移り変わりも、これ事情があって、今年の3月25日はパワハラおねだり問題が焦点当たってたから、『あれぐらいだったら』って考えた人もいると思う。だけど今回の問題は、よく見てもらいたいのは、第三者委員会が一貫して言ってるのは、内部告発の人をまず探して、この権力者たちが探して、さらにですよ、告発した人の暴かれたくないような事情を漏らしながら、『この告発者はすごいひどいやつなんだよ』と。『だから俺を告発してるこの告発なんてのは、無効なんだよ』ということをやったというのが、第三者委員会の見立て。
恐ろしくない?これは本人がいくら否定してても、一応法律家が認定した話だから、僕はパワハラ、おねだりとかじゃなくて、告発者を探し出して、その人が悪いよということを秘密を暴露するって、怖くてしょうがない。兵庫県民の皆さんちょっと考えてよこれ」
【青木源太キャスター】「ただ、まだ続投すべきという方も37人います。直近の民意があったとか、これまでの実績を評価してる人も中にはいるということです」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年5月29日放送)