5月27日午後、岩手県釜石市で農作業をしていた87歳の男性がシカに襲われけがをしました。
県内のシカによる人身被害は2025年に入り初めてです。
27日午後4時半ごろ、釜石市平田の住宅に隣接した畑で、農作業をしていた近くに住む87歳の男性がシカに襲われたと男性の家族から消防に通報がありました。
警察によりますと、男性は全身を複数回蹴られ打撲などのけがをしましたが命に別条はありません。
男性を襲ったのは成獣のニホンジカとみられていて、子連れで現れ背後から突然襲いかかったということです。
現場は三陸鉄道の平田駅から西に約1キロの住宅地で、シカは男性を襲った後、東側の住宅地の方向へ逃げたとみられています。
シカの生態に詳しい専門家・森林総合研究所東北支所の高橋裕史さんはシカが人を襲うことは珍しいと話します。
森林総合研究所東北支所 高橋裕史生物多様性研究グループ長
「シカは基本的には警戒心が強くて臆病だとされている。メスは今の時期は出産したばかりで神経質になっている。子ジカに危険が迫っていると察知したら攻撃してくる。かなり全県域にシカが広がっている。山にはエサがない状態」
県内のシカによる人身被害は2025年に入り初めてで、県では野生動物を見かけたら近づいたり威嚇したりせず、その場から離れるよう呼びかけています。