北九州市で男性の遺体を遺棄した疑いで46歳の長男が逮捕された事件。新たに42歳の知人の女も逮捕された。容疑者同士の人間関係とは?

土中から見つかった遺体は…

5月20日、北九州市小倉南区にある資材置き場で、土の中から遺体で見つかった土木建築会社役員の華山龍一さん(当時87)。遺体は複数のシートのようなものでくるまれた状態で見つかり、首を絞められ殺害されたとみられている。

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龍一さんは4月17日、自宅近くで不審な車に乗った後から行方が分からなくなり、翌朝、車で遺棄現場に運ばれたとみられている。

捜査本部は、龍一さんの長男で土木建築会社の社長、華山龍馬容疑者(46)を死体遺棄の疑いで逮捕。龍馬容疑者は「私はやってません」と容疑を否認している。

親子を知るという容疑者の同級生は「親子間は、仲良かったというか、家族を大事にされているので。龍馬容疑者から(父親の)龍一さんを尊敬しているって聞いたことがある」と電話インタビューに応えた。

同級生は「家族も友だちも自分よりも周りを大事にする人なので、こういう事件を起こすようなことは、しないというかできないというか…」と困惑気味だ。

取材班が入手した龍馬容疑者の映像には、幸せそうな表情を浮かべ、大勢の人の祝福を受けて嬉し涙をぬぐう姿が映っていた。

涙をぬぐう龍馬容疑者
涙をぬぐう龍馬容疑者

自らが社長を努める土木建築会社の創業者だった父親の龍一さんを尊敬し、そして周囲からの人望も厚かったという龍馬容疑者。しかし一方で、捜査本部は2人の間に会社経営や金銭を巡るトラブルがあったことを把握していた。

龍一さんへの殺人容疑も視野に捜査を進めるなか、事件は新たな展開を迎える。

2人の容疑者の関係は…

警察は、龍馬容疑者と共謀して龍一さんの遺体を遺棄した疑いで、新たに女を逮捕した。逮捕されたのは福田真美容疑者(42)。事件を巡る逮捕者は2人目だが、いずれも容疑を否認しているという。

容疑者2人はどういう関係だったのか? 5月26日、取材に応じたのは、龍馬容疑者と逮捕直前に連絡を取り合っていた人物だ。

その男性は、龍馬容疑者からの電話に開口一番「お前、まさか関わっていないよな」と聞いたという。

そして逮捕された福田容疑者について「(龍馬容疑者の)お母さんから遺言だったらしい。『家族がいなくなったんだから、あなたたちが(福田容疑者を)助けなさい』と(龍馬容疑者らに)伝えていた。それを遂行しようとしていたのではないか」と話した。

子どものころから龍一さんや龍馬容疑者と家族ぐるみの付き合いがあったという福田容疑者。龍馬容疑者の母親が亡くなった10年以上前、龍馬容疑者は母親から、すでに両親を亡くしていた福田容疑者の面倒をみるように託されていたというのだ。

そして逮捕される直前、龍馬容疑者が知人男性に託した願いが『福田真美に何かあったときは助けてやってほしい』というもの。「家族ぐるみの付き合いだった。もう誰も助けてくれる人がいない」というのが、その理由なのだという。

龍馬容疑者は、福田容疑者を守って欲しいと知人に依頼していたのだ。

周囲にアリバイ工作も指示か

しかしその後、龍馬容疑者に続き福田容疑者も逮捕。捜査関係者によると龍一さんが行方不明になる直前、2人の容疑者が電話をしていた履歴があり、2人が事件の打ち合わせをした疑いがあるという。

また捜査関係者によると龍馬容疑者は事件直後、実際の自分の行動とは異なる動きを警察に対して説明するよう、周囲に指示していたという。龍馬容疑者の逮捕後に関係者の一部が証言を翻していて、捜査本部は龍馬容疑者がアリバイ工作を図ったとみている。

遺体が遺棄された際、福田容疑者は現場にいなかったとみられ、捜査本部は龍馬容疑者が事件を主導したとみて詳しい経緯を調べている。

(テレビ西日本)

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