「飲むのが、もったいないくらい可愛い」と思わずカップを見詰める女性客。一体どんなドリンクなのか?

日本一のラテアートを披露

福岡市中央区にオープンしたばかりのカフェ。このカフェで来店客の誰もが絶賛するドリンク。それは美しいアートが施されたラテだ。この店は、福岡では珍しい「ラテアート」を専門としたカフェなのだ。

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大人気のラテアートを描いているのは、店のオーナーを務める馬場健太さん(30)。皆は親しみを込めてババケンさんと呼ぶ。

福岡出身のババケンさんは、Tiktokやインスタグラムなどで総フォロワー数110万人を超える人気インフルエンサーの1人。しかもババケンさんは、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで1万6千人のなかからベスト15に選ばれたこともある「イケメンバリスタ」なのだ。

さらにババケンさんはラテアートの大会でこれまで4度も日本一に輝いた経歴のある「スーパーバリスタ」でもある。店の同僚も「ババケンさんの描くアートは、芸術っていうか、ただのアートじゃなくてアーティストが描いたようなアート」と絶賛する。

一体どのようにして描いていくのか? ババケンさんが得意としているのはフリーポアと呼ばれるミルクを注ぎながら模様を描く技法だ。「なるべくミルクの量が変わらないように意識してますね」と描き始めるババケンさん。

「大きくハートをきれいに、花びらに見えるようにちょっとずつ重ねながら描きます」とローズとリーフとミルクを使って繊細に描いた完成“作品”は、ラテアートの大会で優勝した際に描いた自分で考えたデザイン。このほかにもババケンさんはオリジナルの作品を数多く発案している。

また、ババケンさんの真骨頂がラテアートを完成させるまでのスピード。ハートの上にバラを描くのに要した時間は僅か13秒。あっという間に完成した。

“初戦敗退”のショック 大きな挫折

スーパーバリスタのババケンさんがラテアートに出会ったのは大学生のとき。アルバイトをしていたレストランで、友人がラテアートを描いているのを真似したことがきっかけだったという。「初めて熱を注げるものに出会えたというのは、僕のなかでも大きな転機でした」と当時を振り返る。

「”おいしい”に、プラスアルファで”かわいくて美しい”。お客さまが受け取ってくれたときに喜んで頂けるっていうのが、すごく嬉しかった」と話すババケンさん。大学卒業後に福岡から上京してラテアートの専門店で働き始めた。

そして修業を積み、自信満々で2017年に大阪で開催された世界大会に出場。しかし会場のマシンやコーヒー豆にうまく対応できず初戦敗退の憂き目に遭った。「いろんな悔しさが残る大会でした」と大きな挫折を味わったのだ。

しかし、その敗退でより一層、心に火がついたババケンさん。悔しさをバネに独学でラテアートの練習を重ね、満を持して迎えた2018年の大会で、見事に日本一の座に輝く。

その後も快進撃を続け、これまでに「ラテアート日本一」のタイトルを4度獲得。ラテアート界の頂点に登りつめたのだ。

海外1号店はドバイの予定

そんなババケンさんにはいま、大きな夢がある。この日、行われていたのはババケンさんが指導するラテアート教室。初心者でも取り組みやすいよう少人数制で1人1人、丁寧に教えていく。

ラテアート教室に通う生徒の1人は「けがをして自宅療養をしていたんですけど、そのときに馬場さんのインスタグラムを拝見して、感動して…」ときっかけを話す。

海外進出も視野に入れているというババケンさんのラテアート専門店。今後は、アラブ首長国連邦のドバイにも出店予定だという。ババケンさんによるとドバイではコーヒーがよく飲まれていて、さらに日本の文化が好まれる風土だということで「うってつけの場所」というのだ。

「ラテアートって馴染みのないものでもあるので、そこのハードルをどんどん下げていきたい」とより高いところを目指すババケンさん。今後の活躍にも注目だ。

(テレビ西日本)

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