“お菓子の祭典”まで、あと1週間となった。
5月30日から旭川市で開かれる「全国菓子大博覧会」。
北海道では57年ぶりの開催となるが、その魅力と注目のお菓子を取材。
“あさひかわ菓子博”まで1週間
旭川市立大学短期大学部の食物栄養学科の授業。
学生たちが作っているのは、北海道産のニンジンを使ったキャロットケーキ。

「米粉を使用しているので、小麦アレルギーの人でも食べられる」(旭川市立短大2年 福井瑠七さん)
生地はしっとりしていて、ニンジンの甘みとクリームチーズを使ったソースの酸味がよく合う。
1週間後に迫った「全国菓子大博覧会」で、無料で配られる。

「地元の学生の力を使って、旭川を盛り上げられたら」(旭川市立短大2年 木村野乃さん)
5月30日から旭川市で開かれる「全国菓子大博覧会」、通称「菓子博」。
1911年に始まった“お菓子の祭典”で、ほぼ4年に1度全国各地で開催されている。
前回の三重県伊勢市のあと、コロナ禍を経て8年ぶりの開催。
北海道内では1968年の札幌市以来57年ぶりとなり、期待が膨らんでいる。
「沖縄の菓子を食べてみたい」(旭川市民)
「お金が心配。子どもたちみんなで楽しめたらいい」(旭川市民)
全国各地の銘菓1000種類以上が集まり、普段北海道では買えないものも出展。

直径20メートルを超える巨大ドームに360°広がるプロジェクションマッピングや、ゲームを楽しめるブースも。
来場者数約20万人、経済効果は約32億円が見込まれている。

人気菓子店も多数出展!
旭川市を代表する人気菓子店の一つ「壺屋総本店」。
シマエナガの鳴き声から名付けた人気商品「ちーちーじゅりり~ミルクまんじゅう~」。
今回の出展に合わせて、白あんなど北海道産の原料を増やした。
パッケージには菓子博の公式キャラクター「シマエ大福」が描かれている。

「小さな子どもも年配の人も笑顔になってもらえる、おいしいと思ってもらえる菓子としてすすめていきたい」(壺屋総本店 菊地友美さん)

創業100年を超える老舗「梅屋」。
シマエナガをかたどったものなど、さまざまな種類のシュークリームが人気。
中でも発売から約60年を迎える「梅屋名物 シュークリーム」が根強い人気で、今回の菓子博に出展する。

「とろとろのカスタードクリームを使ったシュークリームは珍しい。北海道産の生クリームの風味を味わってほしい」(梅屋 三浦崇友さん)

砂糖菓子を使った“タンチョウ”も!目玉は「大型工芸菓子」
菓子博の目玉の一つが大型工芸菓子だ。
職人が菓子でさまざまな造形物を作り、その出来栄えを競う。
こちらは、前回の菓子博で工芸賞を受賞した作品。
うっすら雪化粧した北海道庁赤れんが庁舎。

実物の50分の1で、砂糖菓子でできている。
その作者は、今回の菓子博に向け作業を進めていた。
札幌市北区で洋菓子店「菓子の樹」を営む田中英雄さん。
この道50年のベテランだ。
今回のテーマは「鶴」。
砂糖菓子を使ってタンチョウの優雅な姿を描く。

審査を控えているためその全容を明らかにすることはできないが、羽の部分を少しだけ見せてもらうことに。
羽は全部で600枚ほどにも及ぶ。

「これを見て菓子職人になりたいという気持ちを持つ人が増えればいい」(菓子の樹 田中英雄さん)
前回、工芸賞を受賞した作品以上の出来栄えを目指す。
「気持ちは『北海道庁赤れんが庁舎』以上のものを。動くような感じのものを作りたい。鶴が今にも飛び立ちそうな、動くような感じにしたかった」(田中さん)
工芸菓子は田中さんの作品を含め全国から約90点が集まる。

見て、食べて、体験して楽しめる「あさひかわ菓子博」は5月30日から開催される。