食品の鮮度を保ちながらこれまでよりも長期保管を可能にする夢のシステムが、熊本市北区の植木青果市場に設置されました。従来では難しかった野菜や果物の在庫を管理し、価格の安定化につなげられるか、実証実験が始まりました。

熊本市北区にある植木青果市場にお目見えしたのが、『ZEROCO』と呼ばれる食品の保管庫です。このZEROCOは、東京の企業が、冷蔵庫や冷凍庫に次ぐ第3の食品保管庫として開発したもので、特長は温度と湿度の管理にあります。

庫内の温度は常におよそ0度、湿度は100%弱に保つようにできていて、食品の鮮度を維持したままこれまでよりも長期保存できるようになっているといいます。

【浜田友里子アナウンサー】
「湿度100%ほどということですが、空気はサラッとしています。ジメッとした感じはありません」

こちらは従来の冷蔵庫とZEROCOで食品を同時に保管した実験。62日後を比較すると、冷蔵庫ではアボカドもレタスも変色したのに対し、ZEROCOの食品はみずみずしく張りを保ったままです。収穫したイチゴを試験的に保管してみたという生産者は…。

【イチゴ農家・前畑佳男さん】
「1カ月くらい入れておいて(イチゴの)ヘタを見たら『これ、きのう取ってここに入れたの?』というくらいの鮮度がある」

本当に鮮度は保たれるのか?7カ月間ZEROCOで保管したナシを食べてみました。

【浜田友里子アナウンサー】
「いただきます。サクサクの食感。果汁がしっかりあふれ出てきます。7カ月前のナシとは思えません。おいしいです」

【ZEROCO楠本修二郎社長】
「鮮度保持期間は、物によるが、短くても1~2カ月はある。ある時ピタッと止まってしまう流通をちょっとでも延ばすことにより消費者も喜ぶ、生産地側も喜ぶということをアイテム(食品)ごとに目指していく」

今回の実証実験は主に県内を中心に生産された野菜や果物が対象で、期間は1年ほどを想定。鮮度を保持しながら食品の長期保管を可能にすることで、在庫管理や価格の安定化につなげられるかが期待されます。

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。