玩具大手のバンダイは21日、2026年に誕生30周年を迎える「たまごっち」の新シリーズを2025年7月に発売すると発表した。
“携帯育成デジタルペット”というコンセプトのもと、1996年に発売されたたまご型の玩具「たまごっち」は、全世界での累計出荷数が約1億個に迫る勢いだ(2025年3月時点で9810万個)。
新シリーズ「Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)」では、ダイヤルを回すと液晶画面がカメラのズーム機能のように切り替わる仕組みや、デジタルペットとして登場するキャラクターの種類が5万種以上と、前作の約30種類から大幅にアップデートされる。
バンダイは、「たまごっち」の特徴の1つとして、大人(18歳以上)の認知度が全体の半数以上(56%)を占めるなど、「ファンがさまざまな性別や年代で構成されている」点を指摘している。
さらに「世界でブランドが拡大している」点も特徴だという。
「たまごっち」は、1996年の初代発売当時から、海外展開を視野に入れていて、1997年には早くも欧米版が商品化され、2022年には欧米版がリバイバル商品として日本に逆輸入もされている。
一方、「たまごっち」のような日本発の世界的人気コンテンツをめぐっては、政府が2010年ごろから「クールジャパン戦略」を掲げ、日本のマンガやアニメ、ゲームをはじめ、食や文化などさまざまな日本産業の海外展開を官民一体となって推進している。
ただ、コロナ禍で関連分野が大きな打撃を受けたことなどから、政府は2024年に「新たなクールジャパン戦略」として出直しを余儀なくされた。
政府は、進捗状況を定量的に評価できる仕組み(適切なPDCAサイクルの実現)や、各国のニーズの把握(地域別の情報収集)などを具体的な課題としたうえで、2033年までにコンテンツ産業の海外展開規模を20兆円まで拡大するとしている。