高値が続き過去最高値を更新しているコメ。
農水相が交代することでコメが安くなるのか、農水省のプロジェクトにも関わっている、米の流通に詳しい流通経済研究所の主席研究員・折笠俊輔さんと見ていきます。

青井実キャスター:
農水大臣に小泉さんが内定ですが、このニュースどうみますか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
実際に農林部会長を以前やられていた時にお話をさせていただいたこともあるのですが、かなり改革意識が非常に高い方だと思いますので、そういった意味では全力で、この状況の打開にぶつかっていただきたいなと思います。

その小泉氏ですが21日、現在の米の高騰について、「スピード感を持ち対応できるよう全力を尽くす」「米担当大臣という思いで集中して取り組みたい」「安心して国民が買える価格まで政治の判断によって下げていく」といったことを意気込みとして語りました。

さらに石破首相は、政府の備蓄米を「随意契約」で売り渡すことを検討するように直接指示をしたということです。

青井実キャスター:
これは備蓄米の入札で価格が決まっていたんですが、随意契約にするということはどういうことですか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
通常ですと、国有財産の払い下げとかの時は一般競争入札といって、一番高い値段をつけ、入札をさせて決めるんですが、随意契約は、あなたに売りますよというのを内々に決めて、そこと契約を結ぶという、特定のところに決めちゃうというものになります。公平性をどう担保するのかとかが課題になりますね。

青井実キャスター:
これで安くなりますか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
入札によって競争で上がるというところは抑えられるので。ただ政府としていくらで売り渡すかは、随意契約はある程度、政府が決めると思いますので、その価格次第だと。

青井実キャスター:
「任意で決定」というところが高かったら、どんどん高くなってしまうわけで、その価格がどうなるのかということですよね。随意契約への変更はスピーディーにできるものですか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
多分、法律上のいろんな壁はあると思いますが、緊急自体みたいなところで持っていかれると思います。ただ入札方式よりも随意契約方式の方が基本的には契約までは早くできるんですね、手間が少ないので。

青井実キャスター:
スピード感という意味では随意契約の方が期待できると。ただ、政府関係者は「随意契約は総理指示でできる。これまでも政治判断でできたのに江藤さんが反対していた」としているのですが、なぜ反対していたんですか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
恐らく通常のルートでいくと「一般競争入札」しか多分政府は最初頭になかったんだと思います。随意契約という選択肢がそもそもなくて、恐らく備蓄米さえ放出すれば、市場に米が回って価格が下がると思っていたんです。なので別に「随意」にしないで「競争入札方式」にして出せばよかったと思っていたんですが、ただ、出しても今のこの状況ということなので。

備蓄米について、次は4回目の放出がありますが、この際には新たな対策として、例えばスーパーや米屋向けに合わせて6万トンの優先枠を設けますが、これに関して江藤前農水相は21日、「6万トンの枠、全てを精米することは難しい」と述べています。
そのため小売り、スーパーなども「ぜひ玄米での販売に踏み切ってほしい」ということ、そして消費者に対しては「町の精米所を利用してほしい」といったことをお願いしました。

宮司愛海キャスター:
精米所が近くにあるかという問題は置いておくとしても、玄米で販売することによってお米の価格は安くなるんでしょうか?

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
実際に精米にかかるコストはカットできますので、精米コスト分は安くなる可能性はありますが、ただ、例えばスーパーの店頭に並べるとなると必ず卸さんがいないと小分けができないですし、袋詰めができないので、精米工程は削除できますが、袋詰め、卸さんを通じたところでというと、ある程度、限定的にはなってしまいますね。

青井実キャスター:
小売業者に備蓄米って全体の7%しか届いていないと。これがどこにあるのかですよね。

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
例えば、業務用に回っていたりだとか、結局、集荷業者さんから卸売業者さんにいったあとに、小売り以外のルートとかにも流れていっている可能性が高いですよね。ここまで来て店頭まで少ないということでいうと。

青井実キャスター:
21日、小泉進次郎氏は、「いまこの局面で大事なことは、組織・団体に忖度のしない判断をすること」と述べていましたが何を期待しましょう。

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
今までもそうですし、改革意識が高いので、常識外の新しい発想でイノベーション的な取り組みで、打開ということをすごく期待したいですね。

青井実キャスター:
短期的には米の価格を安くすることだと思いますが、中長期的にどういったことが求められると思いますか。

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
中長期的には、米の作る量を今まで政府は「減反」は終わったといっていても、「生産調整」という名のもとに需給バランスを生産量を減らすことで調整していたんですが、その結果が今の事態を招いていますので、生産量を増やす方法、需要の方を調整することによって価格をコントロールしていくような施策。小泉さんなので攻める改革をしていただきたいです。

青井実キャスター:
具体的にどういうことが考えられますか。

流通経済研究所 首席研究員・折笠俊輔さん:
例えば、全力で米を作って、余ったら海外に小泉さん中心にがんがん売っていくと。もし有事が発生して困った時には、輸出を止めれば、国内の在庫の代わりになりますだとか。

青井実キャスター:
ドラスティックに変えていくと。パックン、知識だったり経験が不足しているんじゃないかという指摘もある中、どう期待していますか?

SPキャスター パトリック・ハーラン氏(パックン):
今のアイデアも含めてブレーンからのいろんな提案をしっかり成し遂げればいいと思うんですよ。量を増やしながら生産のコストを削減すれば、販売価格が下がっても、もうけは保てるんですよ。農家のためになる改革もお願いしたいです。