江藤農水大臣が辞任し、後任に小泉進次郎氏の起用が決まりました。
その背景には何があったのか、フジテレビ政治部・瀬島隆太郎記者が中継でお伝えします。
――石破首相は当初続投の姿勢を見せていましたが、一転なぜ更迭となったんでしょうか?
まずこのタイミングについては、党首討論でやり玉に上がるのを避けるため、21日の昼までに事態を収束させなければならないというタイムリミットがありました。
石破首相は当初、「一度続投を決めた手前、かなり迷っていた」とのことですが、責任を求める圧力は高まり、更迭にかじをきった形です。
官邸幹部は「早期に辞めさせるべきだった」と後悔を口にする他、自民党内からも「おととい辞めさせていれば100倍よかった」との批判が集まっています。
――なぜ後任に小泉氏起用なのでしょうか?
党内からは様々な候補の名前が上がっていましたが、実際、官邸内では小泉氏「一択」で有力視されていました。
背景には、改革色が強く、世論の人気が高い小泉氏の起用で体制の立て直しを急ぎたいという切実な事情があり、与党内からも「米対策がうまくいけば参院選の顔になる」「小泉氏が結果を残せるかにかかっている」と期待の声が上がっています。
――その小泉氏は記者団の質問に「コメ担当大臣だという思いで取り組んでいきたい」と意気込みを語りましたが、コメ問題にどう対応していくんでしょうか?
ポイントは、政府備蓄米を「随意契約」で売り渡すことを検討するよう石破首相が直接指示をしたことです。
米の価格を下げうる「随意契約」には、農水省などを中心に反対の声が上がっていたため、石破首相と小泉氏がタッグを組んで突破する姿勢を示した形で、政府内からは「備蓄米を市場価格の半値で緊急放出すればいい」と期待する声も上がっています。
小泉氏は第二次安倍政権時代の2015年に自民党で農林部会長などを務めていた際に、「農協改革」に着手していました。
――JA側と攻防を繰り広げていましたが、注目される手腕についてはどうなんでしょうか?
この国会で政治改革の議論を主導した小泉氏の政治家としての手腕には党内から一定の評価があります。ただ、農政では、まさに発信力の強い小泉氏が世論を追い風に改革を断行できるかにかかっているといえます。閣内からは「米は簡単に答えが出るものでもない」と慎重な見方もあがっていて、小泉氏としては、結果を出すしかない状況でのスタートとなります。