日本海中部地震からまもなく42年。秋田県は20日からの一週間を防災意識を高める運動期間に定めています。
命をつなぐために欠かせない「水」に注目し、水の備えと給水車から水をどのように運ぶのか考えます。
地震による被害や大雨による河川の氾濫。自然災害が起きると電気・ガス・水道などライフラインがストップしてしまう可能性があります。
特に水はいざという時の備えとして欠かせません。「命をつなぐ」には一日にどれくらいの水が必要なのでしょうか。
日本赤十字東北看護大学 介護福祉短期大学部 及川真一さん:
「一日に飲み水は2リットルから3リットル必要とされているが、手を洗ったり顔を洗ったり飲み水のほかに必要な水を合わせると9リットルくらいと言われている」
トイレや風呂は別ですが災害時に一日に必要な水を置いてみるとかなりの量だと分かります。どのくらい必要なのかしっかりと備えを考えておきましょう。
災害でライフラインがストップすると速やかに給水車が派遣されます。給水車からどのように水を運ぶか想定していますか。
実際に6リットル入った水を持ってみました。
飛世直樹アナウンサー:
「6リットルでもかなり重い」
及川真一さんは「成人の男性でも6リットルは重いと思う。例えば女性の方や高齢者の方となるとどうでしょうか。子育て中のお子さんを連れている方は片方の手には子どもの手を握るとなるとけっこう重いと思う」と話します。
さらに重い10リットル、20リットルのポリタンクを運ぶとなると、難しくなります。
「車で運搬できれば良いが能登半島地震の時は免許を返納して車がないという方々も水を毎日運ぶ。本当に大変苦労されていた。手に持てる範囲で運べるのはペットボトル1本1.5リットルなので3リットルしかない。水が不足してしまうという現象が起きた」と及川さんは被災地で目の当たりにした状況を話してくれました。
なるべく負担がかからない水の運び方を考えてみます。まずはひもを使ってペットボトルを運んでみます。
ひもをペットボトルの下に通しふたの位置で結びます。結び目の輪を広げてペットボトルの真ん中まで下ろし再びしっかり結びます。
これをもう一度繰り返すとペットボトルがひもで固定され、肩などにかけて運搬しやすくなります。
続いてはレジ袋を使った運び方を及川さんが見せてくれました。一般的な結び方で結んだものは、ひっくり返すと水が漏れてしまいますが、真ん中をしっかり持っている状況で持ち手を回す。もう一周結ぶと水が漏れませんでした。
非常用給水袋は商品によっては、ひもがついていて背負うこともできます。
普段使っているリュックが災害時に役立つ場合もあります。
及川真一さん:
「防水用のリュックを普段使いしている。水を運ぶ時には肩にかけることで運ぶことがより簡単になる。日常的に使えるものと組み合わせることが大切な一つだと思う」
約9リットルの水を入れてみましたが、紹介した運び方の中で一番負担がかからず楽でした。
給水車から水を運ぶ方法を考えてみましたが、最後に提案したいのが日常から使えるマイボトルだと及川さんは話します。
「実際に愛用していて普段、持ち歩いているマイボトルが自分のそばにあることによって万が一災害が発生して水を運ばないといけないとなった時に大変便利なものになる。準備しておくと良いかと思う」