コメや野菜の価格高騰で関心が高まっている「農業」についての話題です。

大分県内の農家の戸数は、2010年はおよそ3万戸ありましたが、2020年には1万9000戸ほどと10年でおよそ4割減っています。
背景にあるのは高齢化や担い手不足です。

こうした中、農業を次世代に繋ごうと奮闘する宇佐市の団体を取材しました。

宇佐市安心院町でコメなどを生産する「アグリストあじむMIRAI」です。

農業の担い手不足などの解消に繋げようと設立された「集落営農」という方法で農業を行っています。

個人経営の農家の場合、植え付けや収穫、草刈りといった農地の管理を、全て個人で行う必要があります。

一方、「集落営農」は集落内などにある農地を「複数の農家」で共同管理します。

地域ぐるみで農業を行うことで様々なメリットがあるといいます。

佐藤豊孝さんが代表を務める「アグリストあじむMIRAI」には、安心院地域の50代から70代までの農家21人が所属しています。

この日は10人ほどでコメの苗づくりを行っていました。

専用の機械を使い、農地15ヘクタール分、およそ750万株もの苗が必要となりますが…

◆アグリストあじむMIRAI  佐藤豊孝代表
「個人ですると1日かかる作業が(みんなでやれば)5時間程度ですべて終わるのでその分だけ短縮できる。今まで別々にしていた(農家)が一緒になったので同じ組合になったので手が足りないところは手伝いに行く」

このように、人手が増えることで作業の効率が上がるほか、苗づくりのための機械や土を耕すトラクターなど高額な農業用機材を組合員同士で共用できるため、個人で購入する必要がなく経費が大幅に削減できます。

さらに、作物の栽培には地域の使われなくなった農地も活用しているため、耕作放棄地を減らすことにも繋がっています。

◆アグリストあじむMIRAI  佐藤豊孝代表
「いまある田んぼを次世代に、未来に残すために頑張っていきたい」

代表の佐藤さんは集落営農という方法が、新たな担い手の確保に繋がると期待しています。

こちらは、自動車関連の会社に勤める佐藤さんの息子、健太さんです。

◆会社員 佐藤健太さん(39)
「皆さんお年を召して(農業を) 出来ないという声がかなりある。いま会社員しながら(農業の手伝いを)やってますけど、ゆくゆくはこういう風に皆さんやってきた、 代々やってきたことを絶やさないように(農業を)継げたらいいかなと思ってます」

『1人では無理ならみんなでやろう』。
地域の農業を未来につなぐ取り組みが進んでいます。

アグリストあじむMIRAIでは安心院地域の周辺に住んでいて農家ではない人も、農業に興味があれば一員となって働けるということでメンバーを募集しています。
みんなが力を合わせて地域で協力して農業を守っていこうという取り組みでした。

テレビ大分
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