九州南部は先週すでに梅雨入りしました。
奄美地方より早く梅雨入りしたのは実に71年ぶりで、平年より2週間も早い梅雨入りでした。
異例の早さでの梅雨入りに、農家からは心配の声も聞かれます。
鹿児島県出水市の農業用ハウスです。
24アールで特産のグリーンメロンを栽培していて、6月初めからの収穫を控えています。
この時期は実の成熟や糖度の上昇のため、日光による光合成が欠かせませんが、例年にない早さでの梅雨入りとなった2025年、生産者からは日照不足を心配する声が聞かれます。
メロン生産者・本城貴裕さん
「(収穫前の)最後の日照は光合成させて生育しているので(大事)。お日さまがないと良いものはできない」
こちらの農家では、今後、天候の状況を見て光合成を促進する薬剤を散布するなどして、対策をするということです。
一方、鹿児島県姶良市三拾町で収穫を待つのは麦です。
この麦は、田植え前の田んぼを利用して栽培されている、はだか麦という作物で、すでに収穫の時期ですが、麦畑の半分は刈り取られず残ったまま。
そのわけを生産者に聞いてみると。
はだか麦生産組合・米迫愼二組合長
「熟期を迎えているが、17日の大雨で水分を含みすぎている。せめて一日は日が照らないと乾燥しない。例年であれば、5月の連休明けには刈り取りは済んでいる」
2025年は冬の寒さによる生育遅れと早すぎる梅雨の雨が重なりました。
麦の穂が湿っていると乾燥に時間がかかったり、機械が壊れるおそれがあり収穫ができないといいます。
さらに…
米はだか麦生産組合・米迫愼二組合長
「麦刈りが遅れたせいで、田植えの時期と麦の収穫が一緒になってくる状態」
2025年のはだか麦は豊作だっただけに、生産者は麦の収穫と田植えの準備を並行して行うなどして事態を乗り切りたいとしています。