呉市の日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地を巡り、呉市の新原芳明市長は16日、市議会で防衛省の複合防衛拠点整備案を受け入れる方針を表明しました。
【呉市・新原芳明市長】
「私は呉市長として防衛省による多機能な複合防衛拠点の整備について、できる限りの早期整備が図られますよう防衛省に要望してまいりたいと考えております」
呉市の新原市長は市議会の全員協議会で「民間企業誘致を含めた多機能な複合防衛拠点の整備は呉市に所在する多くの事業所にとって受注の機会が広がるなど大きなチャンスにつながる」として防衛省の複合防衛拠点整備に期待を示しました。
日鉄呉跡地を巡って防衛省は2024年におよそ130ヘクタールの跡地を一括購入し、複合防衛拠点として整備したい意向を県と呉市に表明。
ことし3月には県、呉市、日鉄との4者協議で民間企業誘致エリアや火薬庫など合わせて12のエリアに分けて活用する案を示していました。
議員からは、呉市が方針を明確にすることで具体的な要望を伝えたり、雇用を生み出すよう働きかけることに期待する声が上がる一方で、火薬庫の運用など安全面で不安が残っているとして防衛省案に反対するよう求める声も上がりました。
採決の結果、賛成多数で議会としても防衛省案を受け入れる方針を決定しました。
一方、これまで防衛省に対して具体的な施設の内容や経済波及効果などを示すよう求めてきた湯崎知事は…。
【湯崎知事】
「まだ中身が十分にわからないので評価は難しいと認識しているが、呉市としての判断を尊重したい」