立憲民主党の野田代表は16日の記者会見で、党として掲げた食料品の消費税を原則1年間ゼロにするなどの経済対策の財源の骨格原案を公表した。食料品の消費税ゼロにかかる年間5兆円の経費は基金の取り崩しなどを充てる。さらに、今年度内の短期的対策として国民1人あたり約2万円の現金給付案も打ち出した。ただ、この給付金は課税対象とするとしている。
食料品の消費税ゼロは来年4月から原則1年間実施し、これによる消費税負担の軽減額は全体で年間5兆円、国民1人あたり4万円と算出した。実施期間はまず1年として、経済情勢によって1回だけ延長できるとした。
その上で財源について最大2年間にかかる10兆円の確保に努め、その多くを積み過ぎの基金の取り崩しに求めるとした。
今年度当初予算の時点で立憲が、政府のルールを超えて積み過ぎていると指摘した7.8兆円をベースに、「数兆円単位の金額が出てくると確信している」と述べた。
さらに外国為替特別会計の剰余金活用も兆単位で活用するほか、租税特別措置についても「隠れ補助金的な位置付けになっている」と指摘し、賃上げ促進税制の7000億円など、税制の見直しを通じて兆単位の財源を確保するとした。
さらに、食料品の消費税軽減を実施するまでの今年度内の超短期の対策として、、国民1人あたり一律金額の現金給付を行うとした。この所要額は2.5兆円としていて、単純計算では国民1人あたり約2万円となる。野田氏は「給付金は所得税の課税対象として、所得の多寡に応じた給付の仕組みを作る」と説明した。
この給付金の財源は一般会計の予備費、特別会計の予備費、未使用基金の一部活用、税収の上振れ、給付金への課税による税収増を挙げた。
さらに、消費税の減税後に移行する給付付き税額控除については、できるだけ早期の導入のための制度設計に向けたプロジェクトチームを設置するとした。給付付き税額控除の財源は、租税特別措置の見直しや、1億円の壁を解消するための金融所得課税改革など、所得・収益に応じて応分の負担を求める税制の抜本改革で確保していくとした。
野田氏はこれらの経済対策を参院選の公約に盛り込んで国民に訴えていく方針を示し、「財源を示すということが責任ある減税だと考えているので、この姿勢を堅持していきたい」と述べた。