パートなどで働く短時間労働者が厚生年金に加入する「年収106万円の壁」と呼ばれる要件の撤廃などを盛り込んだ年金制度改革関連法案が、閣議決定されました。
閣議決定された法案では、パートなど短時間で働く人の老後の年金額増加を保障しようと、厚生年金に加入するために必要な「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件や、従業員51人以上としている企業規模の要件の撤廃を盛り込んでいます。
また、一定の収入がある高齢者の年金を減額する「在職老齢年金」を見直し、働く意欲がそがれないよう年金を減らす基準を現在の月額50万円から月額62万円に引き上げます。
このほか、所得が高い人の厚生年金の保険料を段階的に引き上げ、賃金に応じた負担を求めるとともに将来の給付を手厚くします。
一方、厚生年金の積立金を活用した「基礎年金の底上げ案」は、自民党内に参議院選挙への影響を懸念する声などがあり、盛り込まれませんでした。
法案はきょう夕方、国会に提出される見通しですが、「基礎年金の底上げ案」の見送りについて、野党は、就職氷河期世代の年金が十分確保できなくなると反発していて、今後調整の難航が予想されます。