現在、日本人男性の健康寿命はおよそ72歳。
それを大きく上回る県内最高齢90歳のサッカー選手、生涯現役がモットーです。
*中村隆さん
「こうやってね。だいたい1週間分ね」
中村隆さん90歳。富山市で一人暮らしをしています。
「(好きなものは)やっぱり肉。肉はね国産の和牛」
3月。春の陽気に包まれた富山市の陸上競技場。
そこに中村さんの姿がありました。
シニアサッカーの練習です。
クラブの名は「あしがるサッカー富山」。
1998年、60歳以上のメンバーが集まり、結成されました。
中村さんはチーム最高齢で県シニアサッカー連盟が認める県内最高齢の現役プレーヤーです。
驚くのはそのボールさばき…。
ボレーシュートも決めて見せます。
*中村隆さん
「もう息切れするんだよな。うん、昔と違うから…」
*クラブのメンバー
「すごいんですよ、この人、うちらの見本で いつも中村さんを見て力をもらっています」
*監督 松田利幸さん
「当然、スピードとかは違いますよ、違うけどもやろうという意欲がね、関心するんですよ」
終戦から5年後、焼野原からの復興真っ只中にあった1950年、中村少年は富山中部高校に進学。
生涯楽しむことになるサッカーとの出会いは、こんなきっかけでした。
「野球部に入ったけど10日ほど経った時にサッカー部の安井という先輩からサッカーをやらないかと引っ張り込まれた 僕は野球が好きだった だけどサッカーをやったら止まらないようになってしまった」
高校卒業後、中村青年は北陸銀行に就職。
そろばんはじきの傍ら、地元のクラブチームや銀行の部活動でサッカーを続けていました。
それでも当時、優先しなければならなかったのは、やはり仕事…。
サラリーマンの宿命でチームから離れることもありました。
「転勤になって サッカーとしばらくブランクもあった」
そして、62歳の時、新チームあしがるサッカー富山を立ち上げたのです。
「あしがるサッカーで本当にサッカーらしいサッカーができるようになった」
*中村隆さん
「今から練習試合」
中村さん、対戦相手が気になります。
*チームメイト
「オーバー30 30歳以上」
*中村隆さん
「強いんだろ?」
*チームメイト
「めちゃくちゃ強い」
*中村隆さん
「そっか…」
相手は孫ほど歳の差がある女性チームです。
*監督
「走るよりパスの方が速いからできれば3タッチ以内、フリーな状態でパスをもらってフリーな人にパスする。これで相手を動かしていこう」
練習試合とは言え、勝負は勝負、常に綿密な作戦で勝ちにこだわるのが「あしがるサッカー富山」。
*中村さん
「ようやく、これから体を作っていかねば…。今年初めてですから。
「これから徐々に体力をつけていかなければ」
走る!90歳、県内最高齢の現役サッカー選手。
今年も夢中でボールを追いかけるシーズンが始まりました。