全国のスーパーで販売されているコメの平均価格は、最新のもので5キロあたり4214円と、前の週より19円値下がりした。2024年12月以来、18週ぶりに値下がりに転じたが、2024年同時期と比べるとほぼ倍の価格と、高止まりは続いていて先行きも不透明だ。この状況にコメ農家は、消費者の“コメ離れ”を心配している。
福島県須賀川市のコメ農家・廣田克彦さんの田んぼでは、先週から「コシヒカリ」や「天のつぶ」の田植え作業が始まり家族で作業に追われている。
廣田さんは「去年みたいに高温になってしまうと困っちゃいますけど、今年は大丈夫そうな天気予報なので」と話す。
父と息子、親子三代で農家を営む廣田さん。天候不順など今年のコメ作りとともに気がかりなのは、備蓄米の放出後も続くコメの価格高騰だ。
「コメ離れというのが一番心配。やはり価格が高騰して消費者がコメを買ってくれなくなると、流通が止まって値段がぐっと下がってしまうのが怖い」と廣田さんはいう。
一方で、廣田さんは「息子もいますから、給料あげたり若い子が農家やってくれるような時代が来ればいいなと思う」と話し、今後のコメ作りを考えると、生産コストや苦労に見合う適正な価格水準が必要ではと、複雑な思いをのぞかせた。
こうした状況がいつまで続くのか、葛藤を抱えながらのコメ作りだ。