熊本市立中学校の女子生徒が、同級生から金銭をだまし取られていた問題で、熊本市教育委員会が設置した第三者委員会は5月13日に報告書を提出した。加害生徒はSNS上で、100人以上になりすまし、被害生徒をマインドコントロールし、金銭を要求していたとみられるという。

同級生から金銭だまし取られるいじめ

この問題は2023年度、熊本市立中学校の3年だった女子生徒2人が、同級生の女子生徒1人から金銭をだまし取られていたもの。

この記事の画像(5枚)

被害生徒2人の保護者から「精神的苦痛を受け、いじめである」と訴えがあり、学校が『いじめ重大事態』と判断し、熊本市教委が第三者委員会を設置。5月13日に第三者委員会が熊本市の遠藤洋路教育長に報告書を提出した。

SNSで同級生をマインドコントロール

第三者委員会は会見で「加害生徒は、複数のSNS上で被害生徒をマインドコントロールし、精神的に支配していたとみられる」とした。

第三者委員会の黒山竜太委員長は「生徒Z(加害生徒)がSNSの機能を使って、100人以上の架空人物をつくり出し、なりすまして被害生徒と会話して、各人物への愛着をもたせるとともに、被害生徒を不安にさせたり、脅したりして、精神的に支配するよう発展させていた」と述べた。

また当初、被害生徒は2人とされていたが、調査の中でさらに被害者が1人増え、3人に。そして被害金額は計18万円だったことが明らかになった。加害生徒は当初「友達をつなぎとめておきたかった」と話していたという。

学校長や熊本市教委の対応不十分

第三者委員会は、学校長が『いじめ重大事態』と判断するのが遅れたことや、教育委員会が「学校で対応可能」と判断するなど、支援体制が不十分だったと指摘した。

報告書の提出を受け熊本市の遠藤教育長は「報告書を精査し、学校や教育委員会としてどのような対応が適切だったか、検討し再発防止につなげたい」とコメントした。

(テレビ熊本)

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。