新たな通勤手段として東京都が力を入れている船通勤。
その新しい定期航路が開設されました。
13日の「ソレってどうなの?」は“目黒川を船で通勤…利用広がる?”をテーマにお伝えします。
14日から導入される船通勤の新たな定期航路。
一体、どことどこを結ぶのでしょうか。
新しい定期航路は、東京・品川区の五反田と天王洲を結びます。所要時間は約35分です。
実際に東中健キャスターが乗船しました。
東中健キャスター:
通勤とかで、この気温で風を感じながらだと、すごく気分がいいんじゃないでしょうか。
潮風が実に気持ち良さそうです。
その後、向かったのは目黒川。
東中健キャスター:
新緑がきれいですけど、桜の季節だとより美しい景色が見られるんじゃないかなと思います。
両岸の桜が有名な目黒川。
満開の季節には絶景を眺めながら通勤をすることもできるわけです。
東中健キャスター:
到着しました。30分間の運航だったということですが、ほとんど揺れることもなく、景色もすごく変わるので新鮮な気持ちで通勤することができるかなと思います。
新ルートの運航スケジュールは平日の夕方から夜にかけて。
仕事帰りの交通手段としての利用が想定されています。
そもそも東京都は、船通勤の定期航路を2023年度から開設しています。
2023年10月には日本橋と豊洲間。
2024年5月には晴海と日の出を結ぶ航路を開設。
ということで、今回は3本目の航路となります。
実際に船通勤をしている人に感想を聞きました。
平日の朝に週2回運航している晴海-日の出間の発着場では、「出勤ですね。使えるときに使ってる。渋滞もないですし比較的に空いているので座っていけますし、すごくいい」「便利ですね、たまたま通勤が浜松町なので。本数が増えてもらいたいなと思います」「月に2回とか3回とか(利用)。同じ時間だったら地下鉄よりこっちの方が気持ちいいので船にしています」などの声が聞かれました。
実は今回開設された航路は、これまでとは少し状況が違うんです。
14日から導入される五反田-天王洲間の所要時間は約35分。運賃は片道900円です。
一方、電車で移動すると、山手線とりんかい線を乗り継ぎ15分程度で到着。運賃も約420円で済むので、船通勤では時間も費用も倍以上かかってしまいます。
すでに運航されている晴海-日の出ルートでは、電車などを使うと30分以上かかる時間が船だとわずか5分。
また船には屋根がないため、天候によっては運航できないこともあります。
街で船通勤について聞くと、「五反田から天王洲か、ちょっと面白いですけど、通勤はちょっとね。電車の方が絶対早い。価格がリーズナブルであれば、あと運行時間、それによっては良いと思いますね」「仕事では全く使わないけど、天王洲アイル方向のイベントがあれば乗ってみたいと思います」などの声が聞かれました。
道路網や鉄道も成熟している都市・東京に、さらになぜ船の交通を増やすのでしょうか。
都の担当者は「船は混雑や渋滞を回避して快適に移動できる。観光だけでなく日常的なものにまで広げて、周囲の活性化を図り、水辺のにぎわいにつなげていきたい」と話しました。
さらに12日、東京都の小池知事は、船による交通や輸送の発展の意義を「川を有効利用することにより、人の流れや渋滞、混雑を避ける防災の際の緊急のツールとして有効に活用する。3つの路線が開始されることで、様々な発展形が考えられる。より活性化させていきたい」と説明しています。
まだまだ観光色が強い船通勤ですが、防災に役立つ可能性を秘めているともいいます。
今後、定着していくのか注目です。