続いては、GW明けのこの時期話題にのぼることの多い「5月病」と若者の離職についてです。
西村アナウンサーとお伝えします。
この時期になると仕事を辞める若い方が増える、というイメージもありますよね?
退職代行の仕事にも携わっているアディーレ法律事務所の島田さくら弁護士に、現状をうかがいました。
【アディーレ法律事務所 島田さくら弁護士】
「4月から勤め始めた新卒の方で2~3週間働いてみて、やっぱり『ここは違うなぁ』っていうふうに考えられた方であるとか、 あるいは去年の4月に入社して1年やってみたけれども『やっぱりここ(の会社)ではないかなぁ』というところで、(GW明けに退職代行を)相談される比較的若い方が増えている印象です。
引き留めを受けたりとか、あるいは『代わりの人を連れてこい』とか、『急に辞めるんだったら損害賠償を請求するぞ』っていうことを言われてしまっている方もいらっしゃいますね」
若い世代の退職に関する相談や、代行業務は増えているようですね。
島田弁護士によりますと、シフト制勤務の看護師や介護の職員、警備員といった職種が比較的相談件数が多いということです。
変わってこちらは大手人材・広告企業、マイナビの調査データです。
転職経験者の中で、『5月病』が原因で転職したことがあるという回答をした正社員の割合は19.6%。
年代別にみると、20代では35.2%にのぼるということで、若い世代ほど『5月病』に陥りやすいという結果が出ています。
さらに、若い世代の間では「退職代行サービス」を利用するのも、もはや当たり前の 時代となっています。
【マイナビ 社長室 キャリアリサーチ統括部 関根貴広さん】
「転職者のおよそ6人に1人が退職の手段として退職代行サービスを利用している。自分から退職を言い出せる環境ではないから、という環境要因みたいなところですね。こういったところが32.4%。続いて退職を伝えた後にトラブルになりそうだったから、が23.7%という形になっています。
比較的、人や会社ですね上司や周囲とのコミュニケーションや職場の雰囲気だったりとかいうところが(退職代行)利用の理由につながっている」
一方、新規採用者の長期定着へ、新たな取り組みを進める企業も。
【熊本市中央区・きょう】
肥後銀行では去年から新入行員研修で、「My purpose」というプログラムを採用しています。
ことし採用した約120人に対し「働く意味」や「生きる目的」を考えてもらうための時間です。
【THINK AND DIALOGUE 富岡洋平CEO】
「(熊本は)100年に一度の大変化ですから、皆さんが自分の『want(興味関心・意欲)』をわかっていないと、どこに進めばいいかわからなくなっちゃう。少しプラスに心動いた瞬間を、書き出してみていただければ。」
8日の課題は、人生経験の中から心が躍った一幕を同僚にプレゼンすること。それが今後の仕事の重要な羅針盤になるというのです。
【新入行員やり取り】
「(学生時代)簿記3級から1級を取らなきゃいけないみたいな。飛び級するってなって、持ってたらかっこいいじゃないですか。『絶対合格する』て勉強して、そしたら簿記が楽しくなった」
「(困難な中に)楽しさを見いだせた?」
「そうそう」
【THINK AND DIALOGUE 富岡洋平CEO】
「ちょっと怖いけど頑張ってみようというふうに、皆さんを支えてくれるお守り、それが 『want(興味関心・意欲)』です」
【肥後銀行・人事部 平山みずほさん】
「この会社が自分をどういうふうに成長させてくれるのかっていうところを重視して、会社を選ばれる学生も多いですので。しっかり教育などを充実させていますよというのを、(社会への)アピールとして打ち出しています。」
企業側としても、時代とともに社員の幸福度や成長をより強くサポートする姿勢にシフトしてきていると感じた取材でした。