「大きくなってね!」

バケツから勢いよく川に泳ぎだすアユ。
東広島市の沼田川で3年前に再開したこのアユの放流にはある思いが込められています。

【3年前の沼田川】
「茶色く濁った水が完全に街を覆っている状況です」
西日本豪雨の影響で東広島市の沼田川も氾濫し広範囲に浸水被害をもたらしました。
【沼田川漁業協同組合・後藤政則組合長】
「護岸が流れて線路がぶら下がったり各堤防が決壊した」

古くからアユ釣りで親しまれてきた川でしたが、漁協は被災し養殖場のアユも全滅しました。川の中でも砂が堆積したことで産卵が行えない状況に…。

この先、どの程度まで元の姿に戻るのかと不安の声もありました。

その豪雨災害から7年。現在では、川はここまできれいな状態に。

【沼田川漁業協同組合・後藤政則組合長】
「(川は)だいぶ戻ってきました川の中に対する魚についても西日本豪雨のあとは今まで川にいた魚はいなくなっていた。それが今年は見えるようになった」

沼田川では去年からアユの餌となる「コケ」が増えたほか川辺には「ヨシ」も生え生き物が過ごしやすい環境が戻っています。

【沼田川漁業協同組合・後藤政則組合長】
「工事終わって2年目で多少川も落ち着いてきれいになったじゃない。カマツカというんですかね砂に潜る(魚)(これも)今年はちょっと復活したように思います」

さまざまな魚が沼田川へ帰って来た中、きょう…

【野川キャスター】
「子供たちが手にバケツの中に入ったアユの稚魚をもって川に向かっていきます。
未来を担っていく子供たちがどんな思いでアユを川に放していくのでしょうか」

【こどもたちがアユを放流】
「バイバイ~」

今年も地元の小学生52人が沼田川におよそ5000匹のアユを思い思いに放しました。
【子どもたちは】
「いつまでも元気にアユが住める環境でいてほしいなと思います。(Qアユはどんな風に育ってほしい?)元気に育ってまた沼田川に帰ってきてほしいです」

【沼田川漁業協同組合・後藤政則組合長】
「沼田川がそういうことがあった(西日本豪雨で被災した)と思い出して好きな人がおれば川に入ってアユを取って食べてもらうとか…Qずっと心の中で残っていてほしい?そうですね、うん」

西日本豪雨の記憶の風化が懸念される中、アユを通じて当時の記憶がつながれています。

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。