人手不足のバス業界に救世主です。
栃木・宇都宮市を走る路線バス。
巧みなハンドルさばきの運転手、実はJリーガーの卵です。
今シーズンからJリーグの舞台で戦うJ3、栃木シティの下部組織に所属する松浦航洋選手(26)。
サッカー選手とバスの運転手の二刀流です。
5日朝、グラウンドを訪ねると、松浦さんは朝早くからチームメートと練習。
豪快なシュートでゴールネットを揺らしていました。
さらに、松浦選手だけでなく、同じくJ3、栃木シティの下部組織に所属する屋仲駿選手(22)、重野祥輝選手(23)もバスの運転手との二刀流。
二刀流だらけのわけは?
J3「栃木シティ」下部組織・松浦航洋選手:
セカンドキャリアにつながることが1番だった。
アスリートの悩みの種、引退後のセカンドキャリア。
その不安を払拭(ふっしょく)しようと、宇都宮市に本社を置くバス会社が選手を運転手として雇用したのです。
バス業界は、2024年から時間外労働の上限規制が始まり、深刻な運転手不足に。
そんな中、ウィンウィンの解決策です。
J3「栃木シティ」下部組織・松浦航洋選手:
着座確認を徹底して、ミラー活用で安全運行で頑張ります。
入念な点検を終えると、いざ乗車開始!
真剣な表情でハンドルを握り、すっかりスイッチが切り替わっています。
サッカー選手とバス運転手の“二足のわらじ”で奮闘する松浦選手。
運転手がサッカー選手と聞くと、乗客は「えー!スゴッ!」「尊敬してます。めちゃくちゃ尊敬してます」「頑張ってください。顔しっかり覚えておきます」と反応はさまざま。
J3「栃木シティ」下部組織・松浦航洋選手:
僕も一年一年、何があるか分からないし、大きなけがをしたらサッカーもできなくなる。朝7時(の練習)からやれているのもサッカーが好きだから。(路線バスは)“なくてはならないもの”だと思う。今、サッカーを通してバス業界の力になれているのはすごくうれしい。
選手を雇用するバス会社は、「人材の確保に苦労しているのが現状。一番の希望は、選手たちがプロサッカー選手になって階段を駆け上がっていくこと」と、今後も人材を確保しつつ選手を支えていきたい考えです。