連休ということで、各地が混雑しています。
神奈川・鎌倉市の鶴岡八幡宮を空から見た様子では、たくさんの観光客が訪れています。
そんな鎌倉で4日、逆転の発想ともいうべき試みが行われました。
5日の「ソレってどうなの?」は、“鎌倉・混雑対策にさらにイベント”をテーマにお伝えします。
鎌倉大仏や鶴岡八幡宮をはじめ、外国からの観光客にも人気の鎌倉。
4日、江ノ電の鎌倉駅は午前中から大混雑で、メインストリートの小町通りも人であふれかえっていました。
そんな中、駅近くのもう1つの通りでもイベントが…。
行われていたのは鎌倉こだわりの25店舗が集結するイベント「御成祭」です。
参加者は「スペアリブです。おいしいです」「鎌倉に来てちょうど目に入ったから来てみた」「小町通りというか、あっちの方を通って。(鶴岡)八幡宮もすごい人だった。こっち(御成通り)は静かで過ごしやすい」などと話します。
実はこのイベント、「大混雑する鎌倉の状況を何とかしよう」ということで新たに開催されたんです。
ただ、混んでいる上に、さらにイベントを行う理由は何なのか。
「御成祭」主催者の廣瀬一彦さんに話を聞くと、「現在、鎌倉は観光地の一極集中。鎌倉駅付近だと“東口”に人が集中している。少しでも人流分散といいますか、その一環としてイベントを企画した。『実証実験』という位置づけ」と答えました。
ポイントは「場所」だといいます。
鎌倉は、小町通りや鶴岡八幡宮がある駅の東側が大混雑エリアです。
今回の新しいイベントは、そんな一極集中を改善しようということで、駅の反対側、西側に当たるエリア御成通りに観光客を分散させようと企画されたんです。
鎌倉では、あまりの人出に地元の生活にも影響が出ています。
そのため、2023年から江ノ電鎌倉駅ではゴールデンウィーク中、周辺の住民を優先的に入場させる制度を導入しました。
2024年からは、鎌倉大仏や長谷寺に徒歩での移動を促すなどの社会実験も行ってきたんです。
鎌倉での混雑対策どう見るか。SPキャスター・岩田明子氏に聞きました。
SPキャスター・岩田明子氏:
まさに逆転の発想ですよね。私もついつい東口のほうに行ってしまうんですよ。人気だし。だけど、西口のほうで新しいイベントがあれば分散もできますし、それから地域の住民の方優先というのもいい発想ですよね。
では、実際に新しいイベントで人の流れというのは変わったのか。検証してみました。
4日午前11時ごろ、小町通りのある駅の東口はあふれるほどの人だかりです。
一方、新イベントが開催されている西口エリアですが、御成通りも普段より人の流れが多いということでしたが、小町通りと比べますと人通りの差は一目瞭然でした。
小町通りの近くでは、イベントの呼び込みをする姿も見られました。
今回、イベント専用の街歩きアプリを開発しました。
混雑する場所を避けて、知られざるスポットを巡ることができる仕組みを考案したんですが、取材の結果、「(Q.「御成祭」のアプリ知ってる?)知らなかった。後で見てみようかな…」と、アプリの知名度もいまひとつでした。
イベントはにぎわいを見せていたものの、来場者は目標に届かなかったということでした。
「御成祭」主催者・廣瀬一彦さん:
まだまだ改良の余地がある。今後、広報活動と知ってもらうための取り組みは強化して、また次のイベントにつなぎたい。
なかなかうまくいかなかった部分もあるようですが、航空・旅行アナリストの鳥海高太郎さんは、「今すぐ減るよりは、少し混雑が緩和される可能性が将来期待できる。観光のあり方、地域の共存を合わせた取り組みがうまくいけば、この流れは全国的に加速するのでは。快適に行くことができる場所があるということは、観光客、特にリピーターにおいてはプラスになると思う」と評価しました。
イベントの主催者は今回の結果を踏まえて、2026年以降の開催も検討しているということです。