5月5日は「こどもの日」です。
国内の15歳未満の子どもの数は1366万人で、44年連続で過去最少を更新しました。

こうした「超高齢社会」が迫る中、「前向きな老い」を次世代に伝える取り組みが行われています。

「“人生100年時代”に不安はあるか?」を街の人に聞いたところ、「やっぱり母親とかのことを見てると、ちょっと不安に思ったりもします」「人間関係の変化だったりとか、そういったところにちょっと戸惑っちゃうところはあります」といった声が聞かれました。

あるシンクタンクの調査によると、人生100年時代に「ワクワクする」人は約4割(39.2%)だったのに対し、「どんよりする」人は6割(60.8%)でした。

こうした中、実際に老いを体験することで、積極的に老いを考えるイベントが行われました。

会場は、テーマごとに分けられたさまざまな色の部屋。
案内人は御年82歳の“セッちゃん”こと、大橋セツ子さんです。

まず参加者が迎え入れられたのは黄色の部屋。
白内障で視野が黄色く見えるのを再現しています。

視界が狭くなる眼鏡やヘッドホン、さらに手足には重りをつけて、高齢者の感覚を疑似体験します。

そしてピンク色の部屋でセッちゃんが歌うのは、大好きな炭坑節。
参加者も一緒に踊り、世代を超えて楽しみます。

2025年1月に背骨を2本折ったにもかかわらず、エネルギッシュです。

“老い”体験の案内人・セッちゃん:
芸者になってから初めて好きな人と出会えたんです。

芸者だった母のもと、花街で育ったセッちゃん。
自身も芸者となり、子どもを授かりますが、相手とは結婚できず未婚の母に。

子どもを育てながら65歳まで仕事を続けたあと、70歳で新しい趣味のお茶を、そして77歳でこの案内人を始めたのは、勇気のいる挑戦でした。

「まだ夢中になれるものがあるんだって思った時がとてもうれしかった」と話すセッちゃん。

参加した人は「夢とか目標があって、この年でも、それがすごくすてきだなと思って」「セッちゃんの人生の通過点の途中に今の私がいるような感じがして、自分の共通点とかを見いだして、これでいいんだなって思ったり」などと語り、高齢になっても前向きな挑戦を続ける姿は、参加者に勇気を与えていました。

人生100年時代をどう捉えるか。
次世代に勇気を与えるセッちゃんの挑戦が続きます。