主に子どもの頭に寄生する「アタマジラミ」を知っていますか。
昔の話ではなく、今も発生しています。
コロナ禍が収まり、札幌市でも感染が増えていて注意が必要です。
髪に寄生する“アタマジラミ”
これが「アタマジラミ」です。
「アタマジラミ」は体長2~4mmほどで、黒っぽい灰色をしています。
髪の毛に寄生して頭皮から血を吸い、強いかゆみを引き起こします。
メスは1日で約8個の卵を産み、10日ほどで孵化。
どんどん増えて人から人へと感染します。
「子どもが幼稚園の時にアタマジラミに感染したことがある。ほとんどのクラスが感染した。男の子は髪の毛を全部刈ったが、女の子は坊主にできなかったので薬用シャンプーで卵を取った」(室蘭市民)
過去の話ではなく、現在も…
終戦直後に大量発生し、駆除のためDDTという薬品が散布されたシラミ。
決して過去の話ではなく今でも発生していて、誰でも感染する恐れがあります。
「小学校ではマット運動のように頭や体を接触して遊ぶので、頭から感染するケースが多い。子どもはくっついて遊ぶので、それをだめとは言えない」(宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 院長)
札幌市だけでも感染報告が160人超えた年も…
札幌市ではここ10年ほどで、160人を超える感染の報告が寄せられた年もありました。
コロナ禍で接触が減ったことからゼロになりましたが、2024年は再び発生しています。
タオルや櫛、枕カバーでもうつる…見つけるポイントは?
頭と頭の接触のほかタオルや櫛、枕カバーなどを介してもうつります。
札幌市内の2024年度に流行した小学校では、帽子を共有したり接触させたりしないよう注意を呼びかけています。
「自分で頭を丁寧に洗えない小さい子どもが増えてしまう。異常に気づいたら、早めに頭を見ることが一番の予防法」(上林院長)
卵は乳白色で大きさは約0.4mm。
後頭部や、耳の後ろの生え際に多くみられます。
髪の毛の根元近くをよく調べましょう。
見つけるポイントは。
「髪の毛に白いつぶのようについてフケのように見えるが、取ろうとしても取れない。引っ張っても取れない。髪の毛に固着して取れない。」(上林院長)
もしアタマジラミに感染したら…?
子どもの間で広がりやすいアタマジラミは「不潔だから感染する」というのは大きな間違いで、清潔にしていても誰でも感染する恐れがあります。
感染した場合は下記のように駆除しましょう。
・市販の専用シャンプーを使用
・卵は取りにくいので細かいクシですくか、ハサミで髪の毛を切る
・使用した道具や寝具などは60℃以上の熱湯に10分つける など
2~3日様子を見て異常がなければ駆除完了です。
必要以上に恐れず、正しく理解し予防と対応をすることが大切です。