万博のシンボル「大屋根リング」の閉幕後の活用方法について、大阪府の吉村知事は一部について今の形で残すべきとの見解を示しました。
大阪府市と経済界などはきょう=2日、跡地の利活用について検討する会議を開き、大阪府の吉村知事は、10年後に工事が始まる予定のエリアについて、「大屋根リングを今の形で残すべき」と提案しました。
リングの活用方法は、来月23日に正式に決まる予定です。
■カンテレ神崎デスク「残すなら処置も 『それ誰がお金出すねん?』となる」府・市提案なら税金で?
「大屋根リング」の万博閉幕後の活用について、関西テレビの神崎博報道デスクは、「もともと壊す予定だったもので、残すなら腐らないようにする処置などが必要になってくる。その費用をだれが負担するのか、という懸念がある」と指摘しました。
【神崎デスク】「跡地は利用計画があって、今、民間企業の2つの案が『優秀提案』として選ばれていて、どっちかの案で整備が進むと思うんですよ。あそこを総合的にみんなが楽しめるホテルにするとか、サーキットにするとかいろいろ案があるんですね。
その一角として、『大屋根リング』の一部を残そうという考えがあるんですけど、ただ、『大屋根リング』はもともと、『半年ももてばいいわ』というね。その後、壊す予定だったんで、だから残すんやったら、腐らないようにするとか、雨風さらされるので、残すんやったら、その処置もしなあかんと。
『それ誰がお金出すねん?』と(いう話になる)。大阪府・市が言い出したんやったら、府・市でやるんかと。そうすると税金になるということもあるので、そこら辺の話がこれからだと思いますね」
■藤井教授「『太陽の塔』のように、遺産として残すことは大切」と話すも…
これを受けて京都大学大学院の藤井聡教授は、「1970年の大阪万博のときにつくられた『太陽の塔』のように、遺産として残すことは大切」と話す一方、難しいところもあると懸念を示しました。
【京都大学大学院 藤井聡教授】「レガシー(遺産)として、やはり記念として、残しておくっていうのが大切なことだと思うんです。
やっぱり(19)70年の万博のレガシーとして、岡本太郎の(デザインした)『太陽の塔』は、あのときのまま、そのまま残っているから、いまだに大阪のシンボルとして機能している。
なかなかそういうふうに活用していくレガシーを、今回この『大屋根リング』全部残すわけにいかないですからね、難しいところもあるんだろうなと思いますよね」
(関西テレビ「newsランナー」2025年5月2日)