1300年にわたる歴史を持つとされる、三重県の伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)が2025年5月2日、幕を開け、「山口祭(やまぐちさい)」が執り行われました。
20年に1度、正殿(しょうでん)などを作り替え、ご神体を移す「式年遷宮」は、伊勢神宮の最も重要で最大の儀式です。
5月2日、幕開けとなる「山口祭」が行われ、2033年の「遷御の儀(せんぎょのぎ)」に向けた8年にわたる一連の祭りが始まりました。
「山口祭」は、神職(しんしょく)らが新しい神殿などに使う1万本の木の伐採作業の安全を祈願する祭です。
内宮で始まり、五丈殿(ごじょうでん)で執り行われたのは「饗膳の儀(きょうぜんのぎ)」、祝いの食事の儀式です。
神職らに交じって「物忌(ものいみ)」と呼ばれる役の小学生は、平安時代の正装で大役に臨みました。
その後は、供え物「五色の幣(ごしきのみてぐら)」を掲げた、青い斎服(さいふく)の宮大工を先頭に祭場へ。木をいただく山の神に魚などを供え、物忌役は鍬などを掲げる「刈り初めの儀」を行い、山の作業の安全を祈りました。
参拝客:
「幕が風でまくれ上がって、涙が思わず出てしまうぐらい」
別の参拝客:
「雨も降っていたから余計に神秘的というか。たくさんの人の中で一緒に見られてよかった」
午後8時からは神殿造営の無事を祈る「木本祭(このもとさい)」が行われます。