ことし1月には、大阪市内での路上喫煙が全面禁止となりましたが、4月から「大阪府」内の飲食店にとって、かなりおっカネ~条例が施行されました。
今回は、飲食店の皆さんの受け止めなど、関西テレビ秦令欧奈アウンサーが体当たりで調査しました。ラストはすごい展開です!
■4月1日から大阪は「日本一喫煙者に厳しい街」
4月に開幕した「大阪・関西万博」。ここまでの来場者数は、なんとおよそ190万人に!
そんな中…、
【大阪府 吉村洋文知事】「万博の開始前にお店については、30平方メートルを超える飲食店は禁煙になります」
4月1日から大阪府の飲食店で禁煙対象となる店舗が拡大!
これまで客席面積が100平方メートルを超える飲食店のみ禁煙となっていましたが、国際観光都市を目指して、30平方メートルを超えるお店はすべて禁煙に。およそ8割の飲食店が原則禁煙となる、おっカネ~事態に。
詳しい話を大阪府の担当者に聞いてみると…。
【大阪府健康医療部健康づくり課 吉田真司課長】「この条例上は5万円以下の過料がかかる。お客さまの場合は、3万円以下の過料。禁煙は世界の流れでもあるので、特に万博を迎える大阪なので、何とかご協力をお願いしてきた」
この条例改正により、大阪は「日本一喫煙者に厳しい街」になってしまったんです。
■年間1000万円以上の減収 府に対する不満「曖昧で説明不足
今回の条例改正を受けて、飲食店の皆さんはどう思っているのか、秦令欧奈アナウンサーがリアルな声を聞きました。
最初に向かったのは、北新地にある新鮮な牡蠣を一年中楽しめるオイスターバー。客席面積およそ50平方メートル、今回の規制対象になるお店です。
(Q.席でタバコ吸えますか?)
【オーナー 岸本清吾さん】「席では無理です」(Q,前までは?)「吸えました。去年の4月に禁煙にしました」
(Q.影響は?)
【オーナー 岸本清吾さん】「今まで吸えてましたから、吸えないってなったら、『じゃあいいわ』って帰られる方が結構いましたね」
(Q.売上も減ったり?)
【オーナー 岸本清吾さん】「減りましたね」(Q.どれぐらい?)「100万以上」
(Q.月々ですか?年間1000万超えてくる…)
【オーナー 岸本清吾さん】「超える。ヤバイでしょ。タスケテ―」
(Q.喫煙所は?)
【オーナー 岸本清吾さん】「ちょうど後ろにありますけど、喫煙ブース」
(Q.作るのにいくらかかった?)
【オーナー 岸本清吾さん】「相当かかってます。100万ぐらいはかかります。撤去費用から全部入れて。メンテナンスいりますから毎月1万円ぐらいです。10年やれば120万円ですからね」
北新地という立地もあり、「タバコを吸いたい」というお客さんの要望も多く、去年9月に100万円以上の費用をかけて喫煙室を設置。
売り上げは回復傾向にあるそうですが、大阪府に対して不満もあるそうです。
【オーナー 岸本清吾さん】「当然、時代の流れで禁煙になっていくのは間違いないので、みんなが快適になるなら、怒りはないですけど、ただその中で、曖昧な部分がたくさんある。誰が測るんですか?30平方メートル。元々なぜ30平方メートルなのか。きちっと説明していただいて、みんなが納得して協力しようってなるのが、一番いいんですけど、すごい曖昧で説明不足」
■「大阪のために」 “吸えるやきとり屋さん”が“吸えないやきとり屋さん”に
続いて向かったのは大阪の中心地、梅田。
【秦令欧奈アナウンサー】「店内全面で禁煙にしたお店もあるようです。それがこちらの酉乃市さんです」
およそ25年、梅田で“タバコが吸えるやきとり屋さん”として親しまれてきた酉乃市。今回の条例改正で、泣く泣く店内の全面禁煙を決意したそうです。
(Q.全面禁煙したのは4月から?)
【オーナー 須賀井俊介さん】「4月1日ですね」
(Q.喫煙所の設置は?)
【オーナー 須賀井俊介さん】「店内にはしないです。客席が減るんで。30平方メートルは超えてる、45ぐらいですかね。喫煙席作るほど大きくもないし、客席減らすほど客数あるわけでもない。もっと大きかったらね」
(Q.売上はどれぐらい減った?)
【オーナー 須賀井俊介さん】「100万単位。月々。全然話にならない」
(Q.大丈夫なんですか?)
【オーナー 須賀井俊介さん】「大丈夫じゃないですけど。皆さん慣れていただいて、『どうせどこでも吸われへんし』となっていただくまでの我慢。僕らみたいにまじめに、『じゃあ大阪府に協力しよう』とかやってるお店が、もしバカを見てるのであれば、やるせない。つらい!」
ちなみに、お店から一番近い喫煙スペースはおよそ40メートル離れていて、喫煙者にとっては不便な気もしますが、喫煙者の意見は?
【喫煙者】「面倒くさくてもしゃあない、行かんと。アカンもんはアカンからね。時代の流れですかね、しゃあないですね」
【喫煙者】「吸えればありがたいけど、今の時代、他の方に迷惑もあり得るんで、それが決まりであれば仕方はない」
利用者の声を聞きつつ、「新しい客層が根付くまで、今は我慢の時だ」と話す須賀井さん。本音のところは…?
【オーナー 須賀井俊介さん】「コロナの時に吉村さんにホンマに世話になったから、吉村さんがやるんやったら、あの人が決めてやるんやったら、応援しようとホンマに思ってるし、大阪のためにやろうと思ってる」
■「路面もダメどこに行ったらいいの?」 “良心”で喫煙可能にしている店も
苦しみながらルールを守っているお店がある中、果たしてどれだけのお店がきちんと条例を守っているのか…街の飲食店に直撃取材!
【秦令欧奈アナウンサー】「関西テレビの『newsランナー』ですけど、タバコ吸える店について調査をしてまして、こちらのお店はタバコは吸えますか?」
【お店の人】「吸えますけど。取材とかやってなんで」
(Q.30平方メートルは超えてない?)
【お店の人】「わからないです」
【秦令欧奈アナウンサー】「中でもタバコが吸えるお店ということで、30平方メートルはおそらく測ってないんだろうなという感じでしたね」
お店の外から店内を確認する秦令欧奈アナウンサー。
【秦令欧奈アナウンサー】「ここから見る感じ、中でタバコ吸ってる方はいらっしゃらない」
店内で話を聞こうとしますが…。
【お店の人】「営業中なんで」
【秦令欧奈アナウンサー】「そうですよね、すいません。ちなみにここはタバコは中では吸えない?」
【お店の人】「中でも吸えます。カウンターとお座敷だけ禁煙なんで、分煙っていう形でやってます」
(Q.それは大丈夫?)
【お店の人】「大丈夫ではないですけ。言われたらやめます」
【秦令欧奈アナウンサー】「やっぱり守れてないお店もあるということですね」
【秦令欧奈アナウンサー】「店内でタバコを吸われてる方は、確認できました」
(Q.タバコは吸える?)
【お店の人】「一応、吸えるんですけど、許可は取ってない。周りとの競争もありますけど、お客さんが吸える場所が少ないので、路面もダメになったので、どこで吸ったらいいの?って話」
(Q.一種の良心でやってる?)
【お店の人】「そうです」
調査を続けていくと、「電子たばこならOK」、「喫煙可能にはしてるんですけど、まだ工事自治が追い付いてない」という声が聞かれました。
【秦令欧奈アナウンサー】「調査の結果、およそ3割が対応できていないといった印象でした」
■吉村大阪府知事に直撃! 「正直者がバカをみる社会はあってはならない」と知事
大阪・関西万博が盛り上がる一方で、禁煙規制拡大による飲食店や喫煙者の苦悩。
秦アナウンサーは、吉村知事に飲食店のリアルな声を届けるため、記者会見で質問しました。
【秦令欧奈アナウンサー】「飲食店の喫煙のルールも厳しくなったと思います。番組独自で調査をして、飲食店が本当にルールを守っているのか調べたところ、ルール守ってるお店ももちろんありましたし、守ってないお店も多くありました。いわば“正直者がバカを見る”ことになってることについて、知事のお考えをお聞かせください」
【大阪府 吉村洋文知事】「正直者がバカをみる社会は、僕はあってはならないと思っています。望まない受動喫煙を防ごうというのは、僕は重要なことだと思ってますし、これは世界の潮流でもある。将来的に見て、公共の飲食店等においては、『望まない受動喫煙はないんだ』と、いうことが僕は重要だと思いますし、そういう社会にしていくべきだと思っています。今なお、違反してるという店には、適正な指導・監督をしていきたい」
【秦令欧奈アナウンサー】「喫煙者の居場所がないから、かわいそうだから、あえて注意されるまで喫煙可能にしてるお店もあったんですけど」
【大阪府 吉村洋文知事】「望まない受動喫煙を受けるお客さんを防ぐのは重要なこと。ルールとして定めたことだから、そこは守っていただきたい」
【秦令欧奈アナウンサー】「飲食店の方にメッセージありましたらお願いします」
【大阪府 吉村洋文知事】「大阪は『食の街』でもあります。これからも『食』の応援をしていきたい。大阪の文化そのものだと思います。制度の移行期で、色んな意見があることは承知している。ぜひご理解とご協力をお願いしたい」
ルールを守っているお店がバカを見ないよう、おっカネ~NEWSは引き続きチェックしていきます。
(関西テレビ「newsランナー」2025年5月2日放送)