1日、国内初のJAS認証を受けた「有機シードル」が新庄市に誕生した。リンゴ本来の爽やかな味わいに仕上がり、多くの注文が寄せられている。
甘い香りに包まれた新庄市のワイナリー。
発売と同時に注文が舞い込み、出荷作業が急ピッチで行われていた。
亡くなったおじいちゃんの夢だった「リンゴ酒」だ。そのお味は…。
(リンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さん)
「おいしい。しっかりリンゴの味が出ているし、酸味もある。おいしいと思うこれは、大成功」
ワイナリー代表の佐藤さんは、実は一子相伝の伝承野菜・甚五右ヱ門芋の継承者。
8年前、リンゴ園を営んでいた母方の祖父が亡くなったのを契機に農園を継ぎ、祖父の夢でもあったリンゴ酒造りを始めた。
2024年までは宮城のワイナリーに醸造を委託していたが、「自らの手で造りたい」と一念発起。
2024年12月に醸造免許を取得し、祖父の家を改築して自前のワイナリーを整備して、国内初の「JAS認証・有機シードル」づくりに没頭してきた。
(リンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さん)
「農薬を使って守るようなことはしないで、“リンゴ自体の力”を引き出してJAS有機認証を取得したシードルを販売していく」
甚五右ヱ門芋から学んだ植物の生命力を活かす農業。
佐藤さんはそれをリンゴ栽培でも実践し、JAS認証有機シードルとして結実させた。
商品名は「未熟なダブルス」。
(リンゴリらっぱ醸造所代表・佐藤春樹さん)
「『未熟果』を使っているということと『生食用』のリンゴと2つ合わせたので、ダブルス。出来をみるとすごくドライに出来上がっているので、食前だけでなく食中酒としてもすごくおいしく飲めると思うので買ってもらえるとうれしい」
新庄産有機シードル「未熟なダブルス」、初回はネットで50本限定販売。
いずれは醸造所に試飲できるスペースを作り、店頭販売も行う予定。