2025年は戦後80年の節目の年です。

太平洋戦争末期、鹿児島からは多くの特攻機が飛び立ちました。

知覧や鹿屋の特攻基地はよく知られていますが、鹿児島県南さつま市にも特攻基地があったことはご存じでしょうか。

そんな南さつま市の特攻基地の跡地に建つ平和祈念館で、沖縄戦へ飛び立った部隊の編成から出撃、そして戦死までに何があったのかを伝える特別企画展が始まっています。

太平洋戦争末期、南さつま市に整備された「万世飛行場」は終戦間際の4カ月ほどしか使われず、“幻の特攻基地”とも呼ばれています。

その飛行場の跡地に立つ「万世特攻平和祈念館」では、1日から「戦後80年特別企画展」が始まっています。

万世飛行場から出撃して戦死したのは201人。

そのうちの約6割、121人は特攻隊の隊員です。

企画展ではそれぞれの特攻隊がいつ、どこで編成され、いつ万世にやってきたのか。そして万世でどんな出来事があり、出撃していったのかを年表形式で紹介しています。

5人の隊員が整備中の機体の周りを走る子犬と一緒に映った写真。

隊員たちはリラックスした表情を見せていますが、彼らの部隊は翌日、特攻に出撃。

機体の不具合で不時着した1人をのぞき、全員が戦死しました。

企画展ではこのようなエピソードを交えてこの地で起きたことを私たちに伝えます。

さらに、戦死した27人の隊員が家族などへ宛てたはがきや辞世の句も、遺影とともに並べられています。

長崎から訪れた人
「実際のところ、当時の方々がどのような気持ちを持っていたのかは、僕自身もその当時の教育を受けた身ではないので分からないが、同い年の方々が結構いて、その気持ちを想像するとことはできる」

佐賀から訪れた人
「自分の命がかかっているのに落ち着く暇もないというか、戦争に振り回されているという感じが伝わってくる」

神奈川から訪れた夫婦
「『時代によって、こんなにも違うのだ』と、実際に見ながら感じることができてすごく分かりやすかった」


また、今回の企画展では平和祈念館の収蔵品の中で初公開の遺品もー

当時の女学生が自分の血を使って日の丸を描いたハンカチ。

そこには隊員たちの出撃間近の心情や決意が記されています。

万世特攻平和祈念館・語り部 小屋敷 茂さん
「平和の大切さというのを強く発信する、情報発信するのが祈念館の責務ということで発信している。その気持ちが皆さんの平和を祈る心に通じればとの願いを込めて作成した」


「戦後80年特別企画展」は8月31日まで万世特攻平和祈念館で開かれています。

鹿児島テレビ
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