すっかり暖かくなり、日によっては汗ばむ季節を迎えた。冬の間に大活躍した「ダウン」を衣替えで長期間しまう際にはしっかりお手入れしたい。

7年間洗わなかった「ダウン」
7年間洗わなかった「ダウン」
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冬物のダウン「消臭スプレーしかしていない」

4月にもかかわらず福岡県内では真夏のような暑い日も。街の人からも「暑かぁですね」「たまりせんね、この暑さ。ちょうど病院通いだから…」という声も漏れる。

福岡・久留米市(4月21日)
福岡・久留米市(4月21日)

季節が徐々に夏に近づく中で、めっきり着る機会がなくなったのが冬物の「ダウン」。
衣替えの時期を迎え、ダウンをどのように手入れしているか街でインタビューすると「消臭スプレーしかしてないです」「(洗濯は)していないですね。まだする予定はないです。(洗濯)しなくてもいいかなって」「(洗濯すると)薄くなってしまう気がして、あんまり手をつけてないです」との声が相次いだ。

街の人
街の人

「ダウンほぼ洗わない」が6割超

それを裏付けるデータがある。クリーニング会社「宅配クリーニングのリネット」の調査では、20代から30代の男女のうち6割以上がダウンをほぼ洗わないという実態が明らかになった。これに対し専門家は、ダウンを洗わずに放置すると大変なことになるおそれがあると指摘する。

ダウンを洗濯したことのある人の割合(宅配クリーニングのリネット調べ)
ダウンを洗濯したことのある人の割合(宅配クリーニングのリネット調べ)

「1シーズン着たダウンは間違いなく汚れています」と話すのはリネットの近藤高史さん。

宅配クリーニングのリネット 近藤高史さん
宅配クリーニングのリネット 近藤高史さん

7年間洗っていないダウンをもみ洗いすると

それが目で見てわかる実験映像がある。実験で使われたのは7年もの間、1度も洗っていないというダウンだ。外観に目立った汚れはない。

7年間1度も洗っていないダウン(映像提供:宅配クリーニングのリネット)
7年間1度も洗っていないダウン(映像提供:宅配クリーニングのリネット)

それを洗剤が入った水につけて丁寧にもみ洗いをしていくと、水の色が徐々に変化していく。

もみ洗いをしていくと…(映像提供:宅配クリーニングのリネット)
もみ洗いをしていくと…(映像提供:宅配クリーニングのリネット)

ダウンの汚れが溶けだして水が濁っているのだ。

濁った水が(映像提供:宅配クリーニングのリネット)
濁った水が(映像提供:宅配クリーニングのリネット)

ダウンを洗う前の水と比べると、洗った後の水は茶色に濁っているのがわかる。

左:洗う前 右:洗った後(映像提供:宅配クリーニングのリネット)
左:洗う前 右:洗った後(映像提供:宅配クリーニングのリネット)

想像以上の汚れの映像を、普段ダウンを洗わないと答えた街の人に見てもらうと「汚い。やばい。洗ってますって言えば良かった。洗っとこう。衣替えするんで、洗います」「汚いですね、けっこう。洗ったほうがいいのかなとは思います」という反応が返ってきた。

街の人
街の人

近藤さんによると一番多いのが食べこぼし。ほかにも袖口や襟元などの皮脂汚れや汗も汚れの原因になる。特に食べこぼしをそのまま洗わずに衣替えでしまうと、カビが生えるおそれがあるという。ひどい場合はカビが原因で生地の色が抜けるだけでなく傷んでしまうこともある。「汚れを落とすことが本当に大事なので、ダウンをしまう前に一度クリーニングしてから衣替えされることをおすすめしています」と話す。

宅配クリーニングのリネット 近藤高史さん
宅配クリーニングのリネット 近藤高史さん

自宅で洗濯よりクリーニングがおすすめ

手軽なのは自宅での洗濯だが、ダウンの中の羽が絡まってダマになりやすく、そのまま干すとダウンの特徴である膨らみが戻らないおそれもあるといい、専門家は店にクリーニングに出すことをすすめている。1度でも着たらクリーニングに出した方がよく、長期保管する前の今の時期に出せば黄ばみやカビになりにくいという。

洗わない人が多いというダウンだが、お気に入りの1着を長く着るためには衣替えの際などに定期的なお手入れが欠かせないといえそうだ。

1度でも着たらクリーニングへ
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テレビ西日本
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