日米関税交渉で為替をめぐる議論が焦点となる中、加藤財務相がアメリカのベッセント財務長官と会談しました。
加藤財務相は、アメリカ側から為替目標についての話はなかったと明らかにしました。
加藤財務相:
米国から為替の水準の、例えば目標とかあるいはそれに対する管理する枠組みとか、そういった話は全くありませんでした。(為替に関して)引き続き緊密かつ建設的に協議を続けていくことで一致した。
会談は、ワシントンでのG20(20カ国・地域首脳会合)の会合後、約50分間行われました。
この中では、為替分野についても意見が交わされ、為替レートの過度の変動や無秩序な動きが、経済や金融の安定に悪影響を与えるという認識を再確認したということです。
トランプ政権は、貿易赤字削減に向けてドル高を問題視する姿勢を示していますが、加藤財務相は、「為替レートは市場で決められる」との認識を改めて共有し、緊密に協議を進めていくことで一致したと説明しました。
会談後、外国為替市場の円相場は円安が進み、一時1ドル=143円台をつけました。
ドル高是正の強い要求はなかったと受け止められたことが円売りドル買いを支えた形です。