アメリカとウクライナが鉱物資源などの共同開発で合意しました。
ベッセント財務長官:
恒久的な平和実現に向けたトランプ大統領による不断の努力の結果、両国が歴史的な協定に署名できたことをうれしく思う。
アメリカ財務省は30日、「ウクライナの経済復興を加速させることを目的とする」として、復興投資基金の設置を定めた協定に署名したと発表しました。
また、ウクライナのスビリデンコ経済相も協定に署名したことを明かし、基金はウクライナとアメリカがそれぞれ50%ずつ拠出するとしています。
鉱物資源などの共同開発をめぐる協定は、2025年2月にゼレンスキー大統領がホワイトハウスを訪問した際に署名される見通しでしたが、トランプ大統領との激しい口論の末に決裂し、見送られていました。
今回の合意が、今後、ロシアとウクライナの停戦交渉にどう影響するか注目されます。
アメリカとウクライナが合意した鉱物資源協定の内容を見ていきます。
「基金は50%ずつ拠出」し共同で運営、そして「ウクライナ国内の鉱物資源などに投資」「資源の所有権はウクライナ」「アメリカが防空システムなど支援か」という内容になっています。
2月の物別れから一転して合意に転じました。
ブルームバーグ通信は、アメリカが軍事支援の見返りについて当初の案から譲歩したとみられると報じています。
青井実キャスター:
このタイミングはどう見ますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
バチカンでのローマ教皇の葬儀の時のひざ詰めの会談、あそこで詰めたんじゃないかと。ウクライナ側がこだわっていたのは、ウクライナの復興のためにこれを活用したい、それが明確でなかったことにゼレンスキー大統領がこだわっていましたから、そこが着地したのかなと思います。
青井実キャスター:
アメリカ側はどんなメリットがあると思いますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
希少金属ですから、アメリカは中国に牛耳られているんですよね。ウクライナでそれが確保できるとなれば中国を牽制することもできるというメリットもあります。
青井実キャスター:
一方で、ウクライナが求めてきた安全保障については具体的な言及はされなかったと。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
今の声明の発表のところでも、エコノミックパートナーシップ、あくまでも経済的なパートナーシップなんだと。これは、ここで安全を保障するものだと言ってしまうとロシアを強く意識してしまうことになる。そうすると事がなかなか先に進まない。でも実際は、物も人もウクライナに入ってくればロシア側にしてみればなかなか手を出しにくい、ここはウクライナ側が譲ったのかなと。
青井実キャスター:
となるとロシアの存在ですね。どう対応していくのか。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
今月の9日に対ドイツ戦勝記念日の大きなパレードも予定されていて、そこで3日間停戦すると一方的に言っているんですよ。それに向けてプーチン大統領が一体どういうふうに今回の合意についてコメントしてくるか。いずれにしてもあまり先は急いでないけれども、何らかのニュアンスは出してくると思うのでそこがポイントだと思います。