将来の疾患リスクを予測して地域の課題解決へとつなげる、ヘルスケア革命に迫りました。
ヘルスケア事業を展開するスタートアップ、「フォーネスライフ」が提案するのは、“治す”医療ではなく“防ぐ”医療。
予防医療に焦点を当てて、将来の疾患リスクを予測する新しいビジネスを通して、人と地域の健康課題の解決を目指しています。
熊本・荒尾市はかつて炭鉱の町として栄えましたが、人口減少が続き、市民の3人に1人が高齢者に。
医療や介護に関わる公費負担の増加が課題になっています。
荒尾市が導入したのは、フォーネスライフが提供する将来の疾患発症リスクを予測するサービス「フォーネスビジュアス検査」です。
事前の食事制限は不要で、行うのは採血のみ。
わずか5ccの血液から約7000種類のタンパク質を測定する世界初の技術で、そのタンパク質の動きから現在の健康状態と将来の疾患発症リスクを知ることができます。
受診者からは「自分でも気づかなかった病気を見つけることができて、もっと健康に気をつけないといけないなと」「将来なる病気がもし分かればそこから予防ができるので、(病気の)発症を遅らせる意味ではすごくいいなと」という声が聞かれました。
病気になる前に知ることが、将来の医療費負担軽減と健康社会への第一歩につながるといいます。
しかし大事なのは、将来の疾患を「知る」だけではなく、「防ぐ」こと。
そこで、フォーネスライフはもう一つ注力していることがあります。
検査結果後に行う、保健師資格を持つコンシェルジュとのカウンセリングです。
検査結果を踏まえながら電話やオンラインで2回に分け、生活習慣改善のアドバイスを行っています。
特に、このカウンセリングが重要になってくるといいます。
フォーネスライフ・江川尚人代表取締役CEO:
我々が(血中)タンパク質に着目したのは、生活習慣・環境など様々なもので“変わっていく”もの。
コンシェルジュと生活習慣の見直しを行うことでタンパク質が変化し、将来の疾患発症リスクも以前の検査結果から変化。
改善前と後の検査結果が目に見え、将来が変わったと実感できる成功体験こそ、利用者の継続的な生活改善につながるといいます。
このサービスを導入している荒尾市は、健康寿命を延ばすことで持続可能な財政運営を目指しています。
荒尾市役所スマートシティ推進室・吉光周平さん:
(高齢者の方が)健康で地域に貢献いただいたり働き手として活躍する場が増えるので、将来かかってくる医療費から削減できた財源は新しい政策。例えば子育て政策だったりということにまた回していくことができる。
予防医療で一人一人に寄り添うだけでなく、各自治体や企業など、社会を通して“日本のヘルスケア意識をもっと変えていきたい”。
フォーネスライフは将来的に50種類以上の疾患リスク発見を可能にし、“医療費の負担減少”と“健康社会の実現”を目指したいとしています。
フォーネスライフ・江川尚人代表取締役CEO:
日本がフロントランナーやトップランナーになって、グローバルにソリューションを展開していくような、“社会を変えて”“みんなの意識を変えて”いけたら「すごく素晴らしい」のではないか。