部活動の地域移行です。長野県松本市では、移行した後の基盤となる「地域クラブ」が2024年に発足しました。ラグビーチームは、多くの中学生にラグビーを体験してもらって仲間を増やそうと取り組んでいます。
松本地域の中学生を中心としたチーム「シャルマン・ラグビー・アカデミー」。この日は通常の練習ではありません。ラグビーに興味がある中学生のための体験会です。
チームでは、生徒自ら初心者が楽しめる練習を考え、準備してきました。
生徒が説明:
「あそこにある的に目がけてボールを投げます。チームに分けて合計得点を競います」
2025年、松本市の部活動・地域移行の枠組みである「地域クラブ」=まつもと子どもチャレンジクラブ(通称・まつチャレ)に加わったことで、仲間を増やすチャンスと捉えているのです。
シャルマンはラグビー経験のある小学生が、中学生になっても続けられる受け皿として2024年、発足しました。
中信地域にある、中学生向けのラグビーチームは、私立中学1校のみ。小学生向けのスクールで練習してきた子どもが、中学に入ってもチームがなく、競技をやめてしまうことが課題でした。
シャルマン・ラグビー・アカデミー・輪湖泰輔代表(2024年5月):
「気持ちとしては中学でも続けたけど、そういった環境がないために他の競技をやって、ラグビーから離れてしまう現状があります。一番の狙いは、中学生になってもラグビーを続けてほしいなっていうところ」
シャルマンの発足もあり、現在は中学生9人が小学生から競技を継続。小学生5人と活動しています。
中学2年生:
「チームとしては中学生も増えてきて、練習量も増えてくるだろうし、これから本格的にクラブチームとして頑張っていきたいです」
そして2025年2月には「まつチャレ」に登録しました。「まつチャレ」は、松本市が部活動の地域移行の基盤とする地域クラブで、2024年9月から登録が始まり現在42団体。
市教委は団体創設時の補助金支給や指導者の紹介、運営サポートなどを行い、2025年度中に「休日の活動」、2026年度までに「平日の活動」を含め全ての部活動の移行を進める計画です。
シャルマンは、まつチャレ登録を機に、練習を週1回から2回に増やしました。活動を充実させ、当初の狙いだった「経験者の受け皿」の他に、中学からラグビーを始めてもらうチャンスにもしたいと考えています。
チームの仲間を増やして、試合に出場できる中学生12人以上を目指します。
中学2年生:
「地域移行することで他の学校でも呼びかけられるし、いっぱい人が増えて、楽しくラグビーができると思います」
「人が多くて、大会に出られるようになったりするのが目標」
あいにくの雨でこの日の体験会の参加者は1人でしたが、ボールを使った遊びやタックルなどに挑戦し、競技の魅力を感じたようでした。
体験会に参加・中学3年生(安曇野市):
「ラグビーって楽しいスポーツで、みんなも力強いし、入ってみたいっていう気持ちが強いですね。(きょう)みんなとやる中での楽しさとかそういうのが決め手になりましたね」
中学3年生:
「みんなが興味を持ってもらって、チームで戦う楽しさを知ってもらいたいです」
中学2年生:
「情熱的な感じのチームになればいいな」
シャルマン・ラグビー・アカデミー・輪湖泰輔代表:
「中学生のラグビー環境を充実させたいということで、門戸が広がったじゃないですけど、中信地域にもラグビークラブがあるんだと周知してもらえるという点では、よかったなと」
チームは4月20日にも体験会を開催する予定です。