秋田県男鹿市の下水道工事現場で男性作業員3人が倒れ死亡した事故を受け18日、再発防止策を検討する委員会が開かれました。3人は、水道管の開放によって内部の酸素濃度が低下したことによる酸素欠乏症で亡くなった可能性が高いということです。

3月7日、男鹿市脇本樽沢の下水道工事の現場で、20~60代の男性作業員3人がマンホールの中で倒れ、その後死亡しました。3人の死因は、血液の流れが急激に悪くなり心臓に大きな負担がかかる「急性循環不全」で、酸素欠乏症や有毒ガスの発生が指摘されていました。

これを受けて県は、学識経験者などで組織する安全対策の委員会を立ち上げていて、18日に2回目の会合が開かれました。

会合の冒頭、県建設部の小野潔建設産業振興統括監が「いまだ事故の全貌が明らかになっていない状況で、現場の安全管理は最優先であり、その思いを途切れさせてはならない」と述べました。

この後、会合は非公開で行われ、事故原因の分析や再発防止策などが話し合われました。

終了後、報道機関の取材に応じた安全対策検討委員会の加藤裕之委員長は「作業時、ポンプから水を流したときに水流によって酸素濃度の低い空気がそこから漏れて、酸素欠乏に陥ったのではないか」と話し、事故の原因が酸素欠乏症である可能性が高いことを明らかにしました。

作業開始前にはガスが発生しているかや酸素濃度を調べ、異常がないことを確認していましたが、作業開始後は検査していませんでした。

さらに、工事を受注した企業は、現場に配置が必要な危険作業の責任者を配置していなかったことが分かっていて、施工管理の体制に大きな問題があったということです。

次回委員会は5月下旬の予定で、報告書がまとまり次第、県のホームぺージで公開される予定です。

秋田テレビ
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