年金支給日の15日、高齢者からは物価高による生活苦の声が相次いだ。6月から年金は1.9%増えるが物価上昇は2.7%で、実質0.8%減になっている。政府・与党は経済対策としてマイナポイントを付与する案などを検討している。

物価高が直撃…年金は実質目減り

物価高の影響が、年金生活者を直撃している。物価高騰に、年金が追い付けない状況だ。街で取材すると厳しい実情が見えてきた。

15日は、2025年度初めての年金支給日となる。受け取りに来た人たちに、話を聞いた。

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取材班:
生活はどうですか?

80代:
やっぱり苦しい。物価高だから(年金支給)少ない。

70代:
せめて(物価が)上がった分ぐらい(年金)上がってほしいんだけど、それは無理だと思うからその半分ぐらいは。

年金の支給額は、次回の支給日である6月から1.9%引き上げられる。ただ、物価上昇率はそれをはるかに上回る2.7%となっているため、実質的な支給額は、0.8%のマイナスになる。

取材を進めると、悲鳴にも似た声が次々と聞こえてきた。

1人暮らし(80代):
バナナ200円、2つで。(バナナ)今日は特別安い。

江東区で1人暮らしをする80代の女性は、出来るだけ食費を切り詰めた生活を送っているという。

1人暮らし(80代):
お花は拾ったの。大体私拾いものばっかり。

年金はいくらもらっているのか、通帳を見せてもらった。

1人暮らし(80代):
(厚生年金)16万1616円、(国民年金が)8万7880円。

女性が受け取っている年金は、2カ月で約25万円で、6月以降に1.9%上がると4700円ほど増える。

しかしそれでも、貯金にはほとんど回すことができない状況だという。

1人暮らし(80代):
(貯金)ないよ。足りないよ。(生活)苦しいです。やっぱり。

政府・与党の経済対策協議…マイナポイント付与案も

物価高騰が、年金生活を直撃している。こうした中、15日政府と与党の間で、経済対策に向けた調整が行われた。

石破首相が官邸の裏口から招き入れたのは、自民党の森山幹事長と小野寺政調会長だ。経済対策を巡り協議した。

与党のある幹部は、一部で浮上している商品券の配布については「時間もお金もかかる」と否定的だ。

15日は新たに、マイナンバーカードの普及策だった「マイナポイント」を付与する案も示された。

一方、夏に選挙を控えた自民党の参議院議員からは、現金給付と消費税の減税の両方を期待する発言も出ている。
(「イット!」4月15日放送より)

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