熊本県内の3つの農場で先週、発生が確認された馬インフルエンザ。
国内としては17年ぶりとなる発生に波紋が広がっています。
「イット!」が向かったのは東京都内の乗馬クラブ。
このクラブにも、乗馬クラブの協会から馬インフルエンザに注意を促すFAXが届いたといいます。
モーヴァン乗馬クラブ・芝山研文さん:
日常の健康管理で「具合が悪い」「食欲不振」とか、健康管理を徹底してくださいということです。
人間がインフルエンザに感染すると高熱や関節の痛み、全身の倦怠(けんたい)感などの症状が出ます。
では、馬インフルエンザに感染した馬にはどのような症状が出るのでしょうか。
モーヴァン乗馬クラブ・芝山研文さん:
人間と同じです。発熱・食欲不振・体の倦怠感・せき・くしゃみ・鼻水。(人間のように)「マスクしましょう」ができないので感染力が強い。
馬インフルエンザに感染しても通常は2~3週間で回復することから、殺処分などは行われません。
また、人間には感染しないということです。
ただし、感染が広がると競馬の開催などに影響が出る可能性があります。
2007年に流行した際には、中央競馬所属の馬にも感染が広がり、2日間にわたって開催が中止され、札幌競馬場で行われる予定だった重賞の札幌記念は延期となりました。
また、大井競馬や金沢競馬など地方競馬でも開催中止が相次ぎ、多くの競馬ファンを落胆させました。
2007年当時、競馬ファンは「残念だね。中央競馬もないし公営競馬もなくなれば、我々やること何もないね」と話していました。
競馬の最高峰「日本ダービー」が5月に迫る中、感染の広がりを抑えるためには何が必要なのでしょうか。
馬には健康手帳があり、中には過去のワクチン接種記録が記されています。
競走馬や乗馬クラブの馬は基本的に馬インフルエンザなどのワクチン接種を行わないと移動や大会への出場ができないといいます。
加えて、「モーヴァン乗馬クラブ」では、厩舎の清掃を頻繁に行うなど衛生管理にも気を配っているそうです。
モーヴァン乗馬クラブ・芝山研文さん:
管理していてもでるんだなと。(今回は)予防接種をスルーしてしまった馬がいて、そこからの発症かなと。
熊本県では、感染した馬の隔離や同じ農場の馬の移動自粛、施設の消毒などを行い、感染が拡大しないよう対策を講じているということです。
また、JRA馬事部防疫課などは、安易に異なる飼育施設に立ち入らないことや、入る際には靴や上着を変えたり、車両の消毒などを徹底するよう呼びかけています。