南極の昭和基地で観測している大気中の二酸化炭素濃度が過去最高を更新しました。
第65次、第66次南極地域観測隊の隊長らが11日、南極から帰国後初めて会見し、調査研究の成果を発表しました。
そのなかで、地球温暖化の一因となっている温室効果ガスの二酸化炭素とメタンの2024年の平均濃度がそれぞれ過去最高を更新し、二酸化炭素は18世紀半ばの産業革命前に比べおよそ50%、メタンはおよそ157%増加していると明かしました。
また、南極の真冬である8月の最高気温が過去最高となる1.1度を記録したほか、南極の夏にあたる12月には初めて9.3度を観測するなど気温の高い日が目立ちました。
今後、地球温暖化との関係性について長期的な調査を進めていくとしています。
なかでも昭和基地の東南極にあるトッテン氷河ではもっとも氷が溶けだしているとされ白い帯状の模様が映像からも確認されました。
日本の観測隊は、このトッテン氷河で氷河の氷が溶けるメカニズムの解明や、溶ける速度などを調査しています。
また、南極の中心部にあたるドームふじ観測拠点では、過去100万年に遡る氷の層アイスコアの採取を目指しており今回の遠征で、2万年から2万3000年前の層にあたる541メートルの深さまで掘削が進んだということです。