鹿児島県霧島市で2025年2月に行われた駅伝大会で、心肺停止となった男性を人命救助したとして、霧島市役所の男性職員が表彰されました。
霧島支局・徳永健一記者記者
「こちらの駅伝ゴール地点だった場所で心肺停止状態となった男性は、適切な処置のおかげで一命を取り留めました」
2025年2月23日に行われた霧島市横川町の職域駅伝大会。
なごやかなムードの中、突然、55歳の男性が倒れ、その周囲からの助けを求める声で、霧島市総合支所前のゴール付近には緊張が走ったといいます。
そこに駆け寄ったのが、4月10日の表彰式に訪れた霧島市役所農政畜産課の櫻井亮佑さんでした。
霧島市農政畜産課・櫻井亮佑さん(再現)
「この方、意識がないので、あなた、119番通報をお願いします。そこのあなた、AEDを持ってきてください」
チームの監督として参加していた櫻井さんは、男性の心肺停止を判断し、心臓マッサージを約1分間にわたり施しました。
男性は息を吹き返し、救急隊の到着前には意識も回復していたそうです。
表彰式で櫻井さんは、駅伝のたすきリレーにちなんで、「命のたすきを渡した」とたたえられました。
櫻井さん
「まずは傷病者が無事に社会復帰をされたと聞いて安心している」
櫻井さんの無駄のない動きや発言。
それは…
「さすが元消防職員」
実は櫻井さん、霧島市に移住する前は愛知県で消防隊員として勤務していたそうです。
心臓マッサージは胸を強く、早く押し続けて脳への血流を確保します。
押す力の加減にも、目安があるそうです。
霧島市消防局職員
「深さ5cmを目安に単三電池1本の長さを意識してしっかりと押すのが大事」
櫻井さん
「まさか消防を離れて実際に心肺蘇生する機会があるとは思っていなかったが、今までの知識を今回の行動につなげることができた」
櫻井さんが救助した男性は今では在宅勤務ができるまで回復しているということです。