備えのツボを押さえて防災力アップを目指す備えのツボ。4月10日は岡山でも大きな被害が出た山林火災について。特に今は、注意が必要です。具体的にどのように防げばいいのでしょうか。
3月23日、岡山市南区飽浦で発生した山林火災。火災発生5日目の夜からようやくまとまった雨が降り、翌日、延焼の恐れがない鎮圧が発表されました。
しかし、住宅や倉庫など6棟に類焼し、山林の焼失面積は約565ヘクタールと、岡山県内で過去最大の山林火災となりました。
「山林火災はどう防ぐ?」
総務省消防庁によると、2023年に全国で発生した林野火災は1299件。月別の発生件数を見ると、最も多く発生しているのは、3月と4月です。降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹くことなどが要因とされています。今回火災が発生した日も岡山市の最小湿度は25%。乾燥注意報が発表される1つの目安である35%を下回っていました。
カラカラの空気の中、火を扱うことは大きなリスクを伴います。
(岡山県消防保安課 藤原憲明課長)
「昨年(2024年)の速報値で(岡山で発生した)山林火災は36件。その原因の多くが、たき火や枯草などの野焼きによるものが86%を占めている」
祭事などの例外を除いて野焼きは法律で原則禁止。届け出を行い認められた場合でも、細心の注意を払う必要があります。
(岡山県消防保安課 藤原憲明課長)
「まずは、事前に消火の準備をした上で火を扱う。風の強い時や乾燥している時は、火を使わないくらいの心持ちでいてほしい。3つ目は、火を付けたら目を離さない。必ず延焼状況を見守る。最後に、一番大事なのは、火を起こしたらしっかりと消火をするまで見届けてほしい」
野焼きの他にも、この先、機会が増えるキャンプの際も注意が必要です。
(岡山県消防保安課 藤原憲明課長)
「キャンプはキャンプ場で原則行ってほしい。キャンプ場でも(草木など)燃え移りやすいものが近くにあるので、近くに燃えるものが無いかを確認したうえでたき火をしてほしい。火を起こした後の処理として、実際に炎が見えなくなっても内部は高温。風が吹いて燃え移ることがあるので、水をかけたり消火器を使うなど、最後まで(火を)管理してほしい」
「今回の岡山の火災も(愛媛の)今治の火災も、山林火災は基本的に自然に発火するケースは少ないので個人が気を付けるしかない。いったん火が広がると延焼するので、一人一人が火の始末、火の扱い方をしっかりとしてほしい」
そこで、押さえてほしい備えのツボはこちら。
「山林火災は自分たちで防げる」
今は最も火事が起こりやすい時期です。少しくらい大丈夫。その油断は禁物です。