急上昇ニュースのコーナーです。人手不足が深刻化するなか、スキマ時間の有効活用をキーワードにした取り組みが注目されています。担当は森岡記者です。

(森岡紗衣記者)
「突然ですが、キャスターのお二人は街中でこのジムを見かけたことはありますか?」

・・・よく見かける。chocoZAP(チョコザップ)ですよね。

(森岡紗衣記者)
「24時間無人営業で「コンビニ感覚で通えるジム」chocoZAPです。(25年2月14日現在、)店舗数は全国に約1800、岡山県に22店舗、香川県に24店舗あり、急速に拡大しています。
そんなchocoZAPで今注目されているのが、フレンドリー会員制度です。ジムに通いながら店舗内の清掃や備品の補充をすることで、月額料金が割引されるという制度なんです」

・・・客でありながら、運営も手伝うってこと?新しい仕組みですね

(森岡紗衣記者)
「実際にフレンドリー会員制度の利用者に話を聞きました」

岡山市に住む女性は、日中はホームヘルパーとして働く傍ら、スキマ時間にフレンドリー会員として店舗内の掃除や備品の補充などを行っています。

(フレンドリー会員利用者)
「ホームヘルパーをやっているので、家(訪問先)と家の移動の空き時間がある。スキマ時間にここに来て掃除して、スキマ時間の活用をしている」

フレンドリー会員制度はジムの運営を手伝うことで月額料金の割引が受けられるもので、女性は週に2回の「お手伝い」で2000円引に。月に1000円ほどでジムを利用できているということです。

(フレンドリー会員利用者)
「どうしても時間が空いてひまだと思うよりも、時間を有効活用できて良い」

chocoZAPは、基本的に24時間の無人営業。無人化で低価格を実現できる一方、人がいないことで手が回らないこともあり、一部の利用者からは「清掃が行き届いていない」、「備品が補充されていない」などサービスの質に対して不満の声が上がっていました。

それを解消し、サービスを持続可能なものにするために始めたのが、運営の一部を担ってもらうフレンドリー会員制度です。

(RIZAPグループ広報部 田中聡美さん)
「基本的にデジタルの活用はしているが、人の手を使わないといけない所が出てきている。客の力を借りて無人運営を成り立たせるためのサービスを確立させた。客にとっては月会費が得になる。こちらは人手不足の地域においても人手に左右されない運営ができる。客との共存モデルが築けている」

人手不足時代に持続可能なビジネスモデルとして注目されています。


(森岡紗衣記者)
「実はこうした取り組みは他にも広がっています。
例えば、副業マッチングアプリを利用して飲食店やイベント現場などで「空いた時間の1時間だけ働く」といった超短時間就労の仕組みです。店舗側は慢性的な人手不足を補うことができ、利用者はスキマ時間を有効活用することができます。

さらに今、注目されているのが「おてつだい」と「旅」を組み合わせた「おてつたび」というサービスです」

実際の映像です。旅行者が地方の農家や旅館などで数日間だけ手伝いをすることでアルバイト代として報酬が得られるというものです。現地までの交通費は自己負担ですが、宿泊施設は無料で提供されるため、しっかりと旅行も楽しむことができるんです。人手不足に悩む地域の事業者と、旅も楽しみながら働きたい旅行者をマッチングした次世代のサービスです。

・・・地域側は人手の少ない時に助かる、旅行者はその土地ならではの体験と出会いがありますね

(森岡紗衣記者)
「人手不足が深刻化する一方で、限られた時間をどう使うか、いわゆる「タイパ」を意識して暮らす人も多くなりました。「誰かの役に立ちながら、お得にもなる」そんな「タイパ」と「支え合う」が両立する仕組みがこれからはますます求められるのではないでしょうか」

岡山放送
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